まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』感想

経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。 (富士見ファンタジア文庫)

ストーリー
「す、好きです!」「えっ? ……ススキです!?」。陰キャ気味な高校生・加島龍斗は、スクールカースト最上位&憧れの白河月愛に罰ゲームきっかけで告白することになった。予想外の「え、だって今わたしフリーだし」という理由で付き合うことになった二人だが、龍斗はイケメンサッカー部員に告白される月愛の後をつけて盗み聞きしてみたり、月愛は付き合ったばかりの龍斗を当たり前のように自室に連れ込んでみたり……。付き合う友達も、遊びも、何もかも違う2人だが、日々そのギャップに驚き、受け入れ合い、そして……成長し、心を通わせ始める。読むときっとステキな気分になれるラブストーリー、始まります!

じゃあ、付き合おっか?
長岡マキ子先生の新作というだけで買いなのに、それが「経験済み」ギャルヒロインとの学園ラブコメとなったらもはや読まない理由がないじゃないですかー!! というわけで読みました。
とにかくヒロインの白河さんが可愛いんじゃ! 陰キャに歩み寄ってくれる陽キャの女の子ってどうしてこうも魅力的に見えるんだろうね……。
恋人というものの価値観がだいぶ異なる主人公とヒロイン。そんな二人がお互いのことをゆっくり知りながら少しずつ本当の恋人になっていく姿にキュンキュンする良作ラブコメでした。


陽キャ、ギャル、そして男をとっかえひっかえしているビッチ……という噂の学年一の美少女・白河さん。そんな彼女に罰ゲームで告白した結果、あろうことかOKをもらってしまった陰キャ主人公の龍斗。
「今フリーだし」という理由だけで付き合うことを決めちゃう白河さんは、実際に彼氏をすぐ変えてきたという過去があるものの、恋人に対してはとてもまっすぐで健気な女の子でした。
付き合った当日に自宅に上がらせたり、そういう行為もいいよって言っちゃったり、そんなところだけ切り取ると「やっぱり僕らとは違う人種だ……」感が凄いのだけれど、実はそれも彼氏を自分につなぎとめておくために必死だったから、という理由があって。
やることだけやっといて、こんだけ一途で健気な女の子を数ヶ月で振るなんて、これまで付き合ってきた彼氏はどんだけのクソ男だったんだ……? やっぱりヤ○チンは総じてクソ!(偏見)


最初はお互いにほぼ知らない人。でもデート1回ごとにちょっとずつちょっとずつ縮んでいく二人の距離。
そういう行為は本当に好きあってからがいい(でも帰ってからめっちゃ後悔する←わかる)、デートは白河さんの行きたいところがいい、白河さんの好きなものを少しでも好きになりたい、というリードできない草食系陰キャ男子まっしぐらな純朴主人公に対して、新鮮な驚きとともに少しずつ今までの彼氏には感じなかった「好き」が芽生えていく白河さんの姿にニヤニヤ度MAX。
なんて完璧な「陰キャ童貞オタクに都合のいいギャルヒロイン」像なんだ……いやこう書くと悪口みたいですけど、実際に僕みたいな読者が望んでいるのはこれですからね。最高のごちそうをありがとうございます(平伏)って感じですわ……。一途ギャルに間接キスでからかわれたい人生だった。
みんなのお姫様系腹黒女子こと黒瀬さんもね、ヒロインとしては決して悪くないんだけれど、今作に関しては純粋に白河さんとのイチャイチャをたっぷり楽しみたいので、みんなで仲良く……は厳しくても、軽く一波乱くらいにしてくれるとありがたいです。続刊予定も決まっているとのことなのでとても楽しみ。


イラストはmagakoさん。え、カラーの白河さん可愛い……可愛いすぎない?
扉絵の表情が好きすぎて無限に推せるんだが?


イッチーとニッシーにこそ真の共感を覚えるだめなオタク。