『ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~ 4』感想
ストーリー
血風舞い散るガンガルガ要塞攻防戦。六カ国連合軍と共に魔王軍と戦っていたロメリアだが、魔王軍の反撃により連合軍は敗北。撤退を余儀なくされた。撤退の最中、敵地からの唯一の逃げ道である橋が味方により爆破され、ロメリアをはじめ多くの兵士が敵地に取り残される。その中にはヒュース王子やゼファー、レーリア公女にヘレン王女といった連合軍の王族の姿があった。ロメリアの活躍により、押し寄せる魔王軍を一時撃退することに成功したが、当のロメリアは負傷し意識を失う。残された兵士達は、ギャミ参謀の魔王軍に包囲され逃げ場はない。ロメリア二十騎士は祈るようにして彼女の回復を待ち続けていた……。一方、魔王軍の本拠地ローバーンでは、長らく書庫に籠もっていたガリオスがついに動き始める。時を同じくして、ライオネル王国に残っていたアルとレイのもとに手紙が届けられ、二人もロメリアが負傷したことを知る……。風雲急を告げるガンガルガ攻防戦。連合軍に勝ち筋はあるのか? そして、倒れたロメリアの運命やいかに?
ロメリア最後の策、そして決着
2巻に渡って続いたガンガルガ要塞攻防戦、決着! 連合軍と魔王軍による一進一退の戦いぶりに緊張感マシマシで読む手が止まらない。これ以上ないという窮地からの逆転、からの大逆転、からのどんでん返し、という息もつかせぬ戦いを思う存分描いてくれていてとにかく読み応えが凄かったです。
前巻ではぶつかり合ってばかりでまとまりにかけていた連合国の若手リーダーたちが、ロメリアに導かれてそれぞれの戦いに挑んでいくのとかもう最高。
圧倒的な個と個の戦いも、華麗な戦略で盤面をひっくり返すカタルシスも、全部見せてくれました。満足じゃ……。
前回奇跡的な防衛戦を成功させて気を失ったロメリア。どうにか目を覚ましたものの、状況は何も変わらずライオネル王国軍は風前の灯……。かと思いきやロメリアさん、これでも生き残れると見事に戦況を読み切ってみせました。超人的すぎる。前巻での伏線が綺麗に効いてくるんだもんなあ、たまらないよ。
ロメリアが全軍を掌握することさえできれば……とifを妄想したくなってしまうけれど、そうもいかないのが連合軍の難しいところ。ロメリアとギャミ、双方の最高頭脳がともに退くべきだと思っていても戦いは続いてしまうのだから、戦争というものは厄介なものです。
それにしてもヒューリオン王は色々とかき回してくれたもんですね。
満を持して魔王軍最強の駒・ガリオスが参戦。小手先の策など全てパワーでぶっ飛ばす規格外っぷりで、こんなんどうしようもないじゃんとも思わされつつ、我らがロメリア騎士たちの奮戦には胸が踊ります。
一方でゼファーやヒュース王子やグーデリア皇女、ヘレン王女にレーリア公女に、ああそうだ、シュピリも忘れちゃいけないな……といった面々が、ロメリアに感化され、それぞれの国の思惑とは違う強い意思の下に集まって懸命に動く姿には何よりもグッときました。特に、レーリア公女の変わりようには興奮したなあ。すっかり好きなキャラクターになりました。
終わり方はこれまた予想だにしないもので驚かされましたが、ここで一度打ち止めとなった人間と魔族との戦いがこの先どうなっていくのか、気になって仕方ありません。早く、早く続きが読みたい……!
グーデリア様かわいいなおい。