『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』感想
ストーリー
8歳で、乙女ゲームの極悪非道ラスボス女王プライドに転生していたと気づいた私。攻略対象者と戦うラスボスだから戦闘力は高いし、悪知恵働く優秀な頭脳に女王制の国の第一王女としての権力もあって最強。周囲を不幸にして、待ち受けるのは破滅の未来!……って、私死んだ方が良くない? こうなったら、攻略対象の悲劇を防ぎ、権威やチート能力を駆使して皆を救います! 気づけば、周囲に物凄く愛されている悪役ラスボス女王の物語。
王女たる者のプライド
1巻から5巻まで一気に読んでとてもおもしろかったので、しれっと1年半ぶりの更新だよ。
乙女ゲームの悪役女王に転生してしまった主人公が、相手の心に寄り添う優しさとラスボスならではのスペックの高さで本来は自分に散々な目に合わされていくはずの攻略対象のイケメンたちを次々に救っていく痛快ファンタジー。
攻略対象となるイケメンたちはイケメンだけあってそれぞれカッコいいんだけれど、そんな彼らの中でも群を抜いて主人公のプライドがカッコいい! いや僕はね、イケメンなヒロインが大好きなんですよ……。王位継承権第一位の王女でありながら愛する民のために自ら立ち上がるその姿に何度も痺れました。これはカリスマですわぁ。
今作の最大の魅力、主人公のプライド王女。彼女みたいな、自分が悪役だと思い込んでいるからこそ周囲の好意に全く気づくことができないタイプの悪役令嬢系ヒロインって最高ですよね。元々のゲーム内でプライド自身のせいで悲劇的な過去を背負うことになってしまったはずの攻略対象たちが、彼女のまっすぐな姿に絆されて次々に落とされていくのが無双ゲームかな? って感じでもはや笑えてきます。そのくせ本人は相手が自分に惚れてるなんて微塵も思っていないのだから、全く罪な女だぜ……。
プライドが格好いいシーンは本当にいくつもあるのだけれど、やっぱり筆頭は1巻の騎士団長を救う場面! いくらラスボスチートの戦闘力があるとはいえ、9歳の少女、しかも次期女王が1人で前線に飛んでいって騎士団長を守り抜くのちょっとやりすぎってくらいイケメンすぎる。あとプライドの何がいいって、決める場面での台詞が異常に格好いいんだよなあ。1巻のこのあたりは彼女が立ち上がってからアーサーが騎士になることを決意するところまでずっとプライドに痺れっぱなしでした。格好いいだけじゃなくてママみもあるんだよなこの王女様。続巻でレオン王子やセドリック王子を導く姿なんて如実にママだったよね。包容力の鬼なの?
そんなプライドを愛して絶対に守ろうと誓う、攻略対象をはじめとした取り巻きたち。彼らもそれぞれ魅力的です。ステイルとアーサーは智と勇の両輪という感じで絵になりますね。正直ちょっとプライドに精神的に依存しすぎなのではという気がしていたけれど、5巻では二人とも彼女から離れてちょっと成長した姿を見せてくれた気がします。プライドに対する立ち位置が好きなのはジルベール宰相かなあ。ヴァルの粗暴さの裏に垣間見える優しさはいいアクセントですね。レオン王子は一番底が見えないな、あんまりこの作品に恋愛を期待してはいないんだけれど、レオンならワンチャンあるかもって思えますね。騎士団の中では断然ロデリック騎士団長が好き。かっけえおっさんだな。
あ、セドリック王子に関しては、4-5巻を読んだことで僕の中では完全にティアラの方とカップリングが成立してしまったのでそっちの方面で今後にめっちゃ期待してます。ずっとふわふわ愛され系妹姫として笑顔が基本形だったティアラが唯一悪口を言う相手ってのがもう最高なんですけど分かります? 嫌いは好きの裏返しってな!!(ここから1時間妄想の世界へ)
5巻まで一気に、なんなら夜勤中とかにも読んでしまったのでもう続きが気になって仕方ないな! web版だとどうやらまだまだこの先まで読めるみたいなんですが、書籍版を待つべきかどうか考え中です。コミカライズ版も気になるところだ!