まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3』感想

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3 (MF文庫J)

ストーリー
常夏の無人島を舞台に、全学年で得点を競い合うサバイバル試験がついに開始された。得点を得る方法は2つ。毎日一定時間ごとに指示される指定エリアを訪れることと、無人島内に設置された課題を条件通りにこなすこと。グループ人数が多いほど有利かつ、退学の可能性も減る試験内容。2週間という長丁場かつ、水や食料の補給も考える必要のある過酷な試験。さらに月城理事長代理は学生同士の小競り合いを試験中は容認するらしい。そんな中単独行動で状況を窺う綾小路だが、1年Dクラスの七瀬翼が同行を申し出る。メリットのない奇怪な行動だが七瀬の出方を知るため綾小路はそれを受諾。2人組での無人島走破が始まる!

二度目の無人島特別試験開幕。前巻がチーム決めと一部ルール説明だけで終わったくらいなので、本番となるとなかなか読むのが大変な回になりそうだなと思ったのですが、意外と頭脳戦控えめだったこともありグイグイ読ませてくれました。
まさかの七瀬との二人旅となった綾小路を筆頭に、時に競い、時に協力し、それぞれの思惑を持って無人島でバラバラに行動する生徒たちの姿を、巻頭の地図を眺めつつ想像するのが楽しくて仕方ない! いやーやっぱ面白いわこのシリーズ。


グループの人数が物を言う無人島サバイバルで数少ない単独グループとなった綾小路。最近爪を隠すのをやめてきた感もあるし、単独でも飄々と上位に食い込んじゃうのかななんて期待もしたのですが、序盤はまだ雌伏の時なのかな?
時間内に指定エリアへと到達することと、ランダムに出る課題をクリアすること。島の地形なども考慮しながらどうやってポイントを集めていくか戦略を立て、もちろん無人島で生き抜いていかなければならない。そんな過酷な試練を安定感たっぷりにこなしていく我らが綾小路さんの姿が実に頼もしいです。
そして意外な同行者・七瀬。彼女が危険な相手だということは前巻でもう明かされているので、どこで何をしでかすのか怖々読みすすめたのですが、案外普通というか一般後輩女子らしい可愛らしい部分をたくさん見せてくれたおかげで、見事に油断させられました。チョロいな(僕が)。
や、七瀬はヒロインとしてかなり魅力的だと思います。もちろん綾小路には軽井沢がいるんですけど! 今回は出番控えめだったもののなかなかのイベントが用意されていましたね? 良かったな軽井沢!!


グループ、クラス、そして学年と、色んな枠組みでの競争が存在する今回の試練。誰と手を組み誰と競うのか。学年問わず多くの登場人物が入り混じっておりまさに戦国時代の様相を呈しています。
綾小路が勝てばそれでよいというのではなく、クラスメイトや、同学年生のことも時には救う必要がある。それでいて彼は多くの人から狙われている標的でもある。
考えなければならないことは無数にありますが、今回の試験前半の中でも、どうやら何かを掴み、そして何かを画策しはじめたらしい綾小路が、後半でどのような戦いを見せてくれるのか。楽しみで仕方ありません。
他にも、最近不遇っぷりが加速しつづける一之瀬や、やっぱりバケモンだった高円寺、もはや噛ませ犬ぶりに定評のある櫛田、案外相性の良さそうな龍園&葛城、結局最初しか姿を見せなかった堀北など、サブキャラ陣の動向も大いに気になるところ。
とにもかくにも早く次巻を! 今回の内容を忘れないうちに出してください! お願いします!


1年生と3年生のせいで本気で誰が誰だか分からないのでマジで登場人物一覧を頼む。