『陰キャラな俺とイチャつきたいってマジかよ……』感想
陰キャラな俺とイチャつきたいってマジかよ…… (ファンタジア文庫)
- 作者: 佐倉唄,桝石きのと
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/07/20
- メディア: 文庫
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ストーリー
俺は九条静紀。休み時間は机で寝たふり、昼は常にボッチ飯。友人いない歴=人生。要は陰キャラだ。俺の名誉のために言っておくが、この状態は嫌いじゃない、いやマジで。……が「あたしは――春日陽奈は、ずっと前から静紀くんのことが好きでした!」学校一の陽キャラ女に告白された!? でもアレだ、陽キャって怖い。願わくば恋人も静かな女子を、などと考え丁重に断ったら……「な、ならっあたしを静紀くんの理想の女の子に変えて!」と食い下がる春日に根負けして、俺の陰キャ生活を教えることに。「ねぇ、一緒にボッチ飯しよ!」おい、なんだその不思議状況は。あぁ……俺の静かな青春、どこいった?
陰キャラぼっちな主人公に学校一の陽キャラヒロインがガンガン迫ってくるイチャイチャ学園ラブコメディ。
佐倉先生、オタサーの姫の次は陰キャラ×陽キャラネタですか。世間の流れにガッチリ乗っかっていくこの感じ、嫌いじゃないよ!
初っ端から好感度メーター振り切れてるヒロインとそんな彼女になんだかんだで絆されていく主人公に存分にニヤニヤできる楽しいラブコメでした。
一人でいることが楽だから、あえて友人も作らず陰キャラでいることを選んでいる高校生・九条。しかしある日突然、学校一の美少女と名高い陽キャラ中の陽キャラ・春日から告白されてしまう!
うむうむ、いいですね。昨今のギャルヒロインにも通じるところがありますが、主人公が勝手に作っている壁をガン無視してグイグイ押せ押せで来るヒロインっていいですよねー。男の側に都合が良すぎる風に見えるかもしれないけど、都合の良い女が嫌いな男なんていないんじゃー!(語弊がある発言)
そういえば久しぶりに、出会って早々キスシーンのあるラブコメを読んだ気がします。大好きなんだけどなあ、キスから始まるラブコメディ。お互いの関係性も定まっていない状態でいきなり距離がグイッと縮まってドギマギして意識しだしちゃう……みたいなのが好きなんじゃよ……。
多少気になったのは、陰キャラと銘打っているわりには、九条がただ目立ちたくないだけの普通のやつだったってところですかね。まあ、「陰キャラを名乗る主人公」にはわりとあるあるなんですけどね。本当の陰キャラってのはこんなもんじゃない、もっと恐ろしいなにかなんだ……。
陽キャラすぎる春日を一度は拒絶する九条だけれど、九条の理想の女の子になるとまで言い張る春日に、陰キャラの生き方を教えていくことに。
そしたらいつの間にか仮恋人関係みたくなっちゃっていて、気づけば学校でも周知の仲になっていて……と、どんどん外堀を埋められていくこの感じがとてもいい。
なんてったって春日がめっちゃ可愛いんだ! 平然と「結婚したい」とか言ってくるんだもん、そりゃ好きになっちゃうよなあ!
春日のことを想うようになったからこそ、陰キャラである自分との差異に戸惑い、自分と一緒にいて彼女は幸せなのかと悩む九条。ああ、こうして自分の中だけで勝手に悩んで勝手に結論を出しちゃうところは確かに陰キャラっぽいわ……。相手に聞けばそれで済むのに、そうしないんだもんな! これだからラブコメの主人公ってやつは!(笑)
結局、陽キャラの女の子を変えようと思ったら、変わっていたのは自分の方でしたー、というお話で。やはり美少女には勝てなかったよ。
秋月、新宮、千坂とサブヒロイン陣もそれぞれ魅力的ですが、このまま春日とのイチャラブルートを全力で突っ走ってもらいたいですね。続きが楽しみです。
イラストは桝石きのとさん。表紙の春日の表情が絶妙に可愛くて好きじゃー!
ビジュアル的には新宮がすっごい好きです。えろいです。
TE●GAを抱える千坂先輩の絵面の背徳感やばい。