まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『処刑少女の生きる道7 ―ロスト―』感想

処刑少女の生きる道(バージンロード)7 ―ロスト― (GA文庫)

ストーリー
「だから、この【時】を懸けて、あの子を取り戻すのよ」
導師『陽炎』との激戦から半年。第一身分に追われるメノウたちは、北の大地にいた。マヤの持つ1000年前の記憶によれば、北の空に浮かぶ四大人災・星骸の白濁液内に眠る“情報”がアカリを取り戻すための鍵になるという。10年に一度の“孵化”のタイミングを狙い、第一身分の追っ手をかわしながら星骸に接近するメノウ一行。しかしその前に、最強の神官にして【白】の代行者・異端審問官ミシェルが立ちはだかり――。
新章突入! 吹雪のなか、“星落とし”の幕が開く。彼女が彼女を殺すための物語、廻天の第7巻!!

前巻ラストから半年後、北の大地での追手との戦いを描く第7弾。
いきなり時間が飛んだのには少し驚いたけれど、師との死闘をくぐり抜けて強くなったメノウの戦いぶりには目をみはるものがあったし、何より新しい仲間(?)たちとの旅路にワクワク!
特にマヤとサハラのコンビが良かったなあ! どちらも初登場時からずいぶん印象が変わったものです。


晴れて教会からの逃走者となったメノウたちがどんな逆襲の一歩を踏み出していくのかと思っていたら巻頭でもう半年経ってるわなぜかグリザリカ王国を掌握しちゃってるわで少々驚愕。端折っていいところをとことん端折ってしまうあたり思い切りがいいな! グリザリカ王国の革命はちょっと詳細が気になるけど……。
半年経ったメノウさんはずいぶん主人公っぽさが増した気がします。アカリの力と導師の技を受け継いだ強さはもちろんだけれど、それよりも精神的な部分に芯が通っていて格好良いですね。これは無意識にファンを増やしてしまうのも仕方ないわ。
一方新たなパーティメンバーは以前にもましてバチバチのギスギス。個人的にはどうしてもマヤに感情移入しちゃうのでアビィこの野郎って感じですが魔導的な天敵なら仕方ないか。アビィはアビィでまた何か事情がありそうですしね。


メノウの下を飛び出したマヤが喚び出したサハラ。彼女は全然変わっていなくてむしろ安心。この二人も別に仲がいいわけではないんだけれども、なんか好きなコンビなんですよね。サハラはマヤに脅されて従ってるだけのようでいて、意外と反発や反論もしていたり、たまーに「いい歌ね」とか言ったりする関係性が良い……。
精神的に行き詰まっていたマヤがサハラの無責任すぎるひと言で吹っ切れたところが特に好きなシーンですね。いいよなあサハラ、憎めないわ。
メノウとハクアのアカリ争奪戦、星骸に隠された秘密、迫る最強の刺客ミシェル、そしてラストでようやく姿を見せたあの子。エピローグが切なすぎて胸がぎゅっとなってしまいましたが、メノウは自分を削り切ってしまう前に目的を達することができるのでしょうか。
あーもう最新刊まで追いついてしまった、早く次が読みたいぞ!


アニメも見てみようかな。