まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『サイレント・ウィッチII 沈黙の魔女の隠しごと』感想

サイレント・ウィッチ II 沈黙の魔女の隠しごと (カドカワBOOKS)

ストーリー
〈沈黙の魔女〉モニカは第二王子を狙う敵を極秘裏に“処理”。生徒会会計にも抜擢され、護衛任務は順調……かに思えた。しかし正体バレの危機が次々襲来!? かつての恩師が赴任してきたり、七賢人になるほどの魔力量なのに魔力測定に巻き込まれたり、普通の学園生活に最強の魔女は失神寸前! 皆には簡単な社交ダンスやお茶会だって、モニカには精いっぱい。それなのに、第二王子にも次なる危機が迫り――? 無詠唱の魔女の極秘任務、メンタルが試される第二幕!

少しずつ学園に慣れてきたモニカが、選択授業を選んだりダンスの練習をしたりお茶会に挑んだり、やっぱり王子の命の危機を影で救ったりする第2巻。
極端な人見知りなのは変わらないながらも、少しずつ友人と呼べるような相手や頼りにできる知り合いもできてきて、勇気を出してちょっとだけ踏み込んでみようとするモニカの姿が微笑ましいですね。
まあ、それだけに今回の事件はちょっとショッキングでしたけど……。


貴族の学園ということで、社交ダンスにお茶会にと授業の内容はモニカにとってピンチの連続。でも今までと違うのは、一緒にダンスの練習をしてくれたり、お茶のアドバイスをしてくれたりする人たちが周りにいること。
ラナを筆頭に、生徒会のニールとシリル、新キャラのグレンやケイシーなど、そんなに緊張せずに話せる相手が増えてきて良かった。フェリクスだけは、うん、まあ相変わらず何考えてるか全然分からないけど……。モニカは小動物っぽい女の子なので、どうしても保護欲をくすぐられます。なんだろう、姪っ子を見てるような気分なんだよな……。
そんな中でモニカに新たに花開いたのがチェスの才能! 数学ができる人はチェスが強いってイメージは確かにあるけれど、こんなところでも天才なのか。これを期にエリオットとも打ち解けられたらいいと思いますが、これはエリオット側の問題もあるし、どうでしょうか。


お茶会の授業をなんとか乗り切ったあとは、意地悪令嬢カロラインたちとのお茶会にお呼ばれ。いやもう明らかに罠! でも真っ正直に参加しちゃうのがモニカらしいというか。
案の定問題が発生しつつも、ミステリアスなお嬢様クローディアに助けてもらったし、イザベルとフェリクスによってお返しのティーパーティーが開催されて、結果的には良い方に転んでくれました。イザベルの悪役令嬢ぶりがめちゃくちゃ堂に入っていて格好良かったー! 悪役令嬢としての格が違うんですよ、格が。
ラストは〈沈黙の魔女〉の本領を発揮してエンディング……だけれど、今回の事件は少し後味が悪かったですね。モニカが人と関われるようになったからこその後味の悪さなんですが、なんだか切ない気持ちになりました。でもモニカもただショックを受けるだけじゃなくなったというのは、またひとつ成長の証ということで。


今更だけど巻末の登場人物紹介めっちゃいいな。