まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『幼馴染をフッたら180度キャラがズレた』感想

幼馴染をフッたら180度キャラがズレた (富士見ファンタジア文庫)

ストーリー
以前、俺は幼馴染に告白された。内気で引っ込み思案で、でも超・可愛い文学少女の月本六華。そんな幼馴染の告白を、自分に自信がなかったこともあり、俺は断ってしまった。
「いやっはー、どもども! テルくん! 感動の再会です!」
だがフッてしまった幼馴染と再び顔を合わせると、快活な陽キャに様変わりしていた! は? そのノリ、何……? 絶対そんなキャラじゃなかっただろ! 困惑する俺を他所に六華は以前ではあり得ない大胆さでグイグイ迫ってくる。さらに今度こそ俺を惚れさせてみせると宣言してきて!? 両片思いから始まる、甘々ハイテンションラブコメ

小学生の時に告白され、フッてしまった幼馴染と高校で再会したら、キャラクターが丸っきり変わってしまっていた……というところから始まる学園ラブコメ
フラれた過去があってもめげずに押せ押せで攻めてくるヒロインが愛らしくていいですねー。
主人公の方に負い目があるから付き合っていないだけで思いっきり両思いなのに、なぜか上手くいかないところにラブコメ芸を感じます。


小学生の頃は内気な文学少女だった幼馴染の六華。しかし高校で再会した彼女はめちゃくちゃハイテンションな陽キャガールに華麗なる変貌を遂げていた!
いやー、初手から好感度MAXの肉食系女子、良いですなあ。初っ端からこんだけ飛ばしちゃっていいの? ラブコメ終わっちゃうよ? って心配になったくらい。テンションは陽キャなんだけれど要所要所でなんだか無理している感が出ているあたりがまた可愛い。
そもそも主人公・天野が六華をフッたのは自分に問題があったからで、元々彼女のことは好きだったし、なんなら今も好きだしってことで、もう既に両思い。
かといって、じゃあ付き合いましょうでハッピーエンドとなるわけもなく。キャラ変した六華への困惑やら、六華に対する負い目やらで、なかなか先へ進めない天野のお悩みっぷりがどうにも焦れったい! 結果的にキープみたいな感じになってるぞ! そのくせ、ナチュラルに六華の容姿を褒めたりとか、ちょいちょいリア充力を発揮しているあたりがまたムカつくな……(笑)。


天野があれこれウジウジ悩む一方、六華の方にも秘密にしていることがあって。いやキャラ変の理由って結局それかーい! あんまりにもな真実に笑ってしまったけれど、そのノリでやり通せるのがむしろ凄いよ……。
一緒にいるだけで、実はお互いに自分を見せることができていなかった二人が、やっときちんと向き合うことができて。さあようやく……といったところで次の爆弾が用意されている周到さには拍手。これはラブコメの名人芸。
思わぬ展開のまま次巻へ続くとなってしまったわけですけど、これこの後どうなっちゃうんです?


イラストはねぶそくさん。六華の無邪気な表情が可愛らしい。
デフォルメのギャグ顔が多めだったのも印象的でした。


離れ離れになった幼馴染が自分の親と3年間連絡を取り続けていたの、地味にホラーでは?