まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる』感想

探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる【電子特典付き】 (MF文庫J)

ストーリー
山田姉妹と戸村に今日も奇妙な事件(相談事)が寄せられる。我が校の卒業生でもある副担任さぁや先生の依頼は、彼女が高校生のときに起きた「原稿消失事件」。文芸部の部誌に載るはずだった直前に消えた状況は、確かに不可解で……? あいかわらず平常運転で絡んでくる雨恵と雪音の山田姉妹につつかれながら、またも俺は矢面に立たされるのだった。だんだん雨恵と雪音の性格も把握してきたけど、2人の距離感は……やっぱ、近すぎるよね!? そして赤面しているよね!? 可愛くて鋭い2人の山田さんと俺が解き明かす、ちょっと甘めの学園ミステリーラブコメ、第二幕!「よし! プールで推理しよう!」ええっ!?

探偵はプールにいる!
双子姉妹とともに学園の謎を紐解いていくミステリー風学園ラブコメ第2弾。
ネットゲームのオフ会での人物当て、部室からの小説原稿消失事件、SNSで自殺を仄めかす投稿をする人物探しと、今回もバラエティに富んだ謎解きで楽しませてくれました。
雪音との微笑ましくもたどたどしいラブコメ展開と裏腹に、予想のつかない距離の詰め方をしてくる雨恵。ニヤニヤだけでなくなんだかハラハラしてしまうな……!


ネットゲームのパーティーメンバーでプレイヤーネームを隠して集まったオフ会で、誰がどのプレイヤーか割り出してほしいと依頼される第四話。
ちょっとした気付きから、一気に全員が誰なのか明らかになっていく仕掛けの論理パズルになっていて、ミステリー的には今回一番の面白みがあったかなと思います。
謎解き役の雨恵、悪知恵を働かせる戸村、実行犯の雪音ときっちり三者三様の探偵ぶりを発揮した構成も綺麗でした。
まさかの先生からの依頼で、彼女が在学中に起こった文芸部での原稿消失事件を取り扱う第五話。
謎解き自体はわりと単純なもので、むしろこのお話のメインはなぜかプールで推理を始めちゃうラブコメサービスイベント的な部分ですね。
「プニ勉」な雪音のイラストが非常に眼福だったので行動力の化身たるミスフリーダム・雨恵さんに感謝の雨。こういう気ままで常識に囚われないところが、いかにも名探偵らしくて好きです。
いくら田草先生が若くて美人だからといって、普通に慰めただけで双子から邪険にされる戸村はさすがに不憫で笑える。


第六話はSNS上の知り合いが自殺を仄めかす投稿をしているのでリアルで探し出してほしいという、今までで一番重めのお話。
今回は最終的に「カチッと」きたのは戸村でした。まあ戸村の方がやや情報的に有利だったとはいえ、ちょっと意外。
雨恵はあっけらかんとテキトーに生きているようでいて、どこか不安定さを感じさせてくるので、目が離せないんだよなあ。戸村との出会いは、雨恵にとっても大きなことだったんだと思わせてくれる一話でした。
一方雪音は、秘密の共有も深まって順調にヒロインルートを歩んでいる予感。ていうか純粋に可愛いな雪音……雪音視点でのあたふた具合が可愛すぎる……。でも雨恵がこのまま黙っているはずもなし、これからもこのトライアングルから目が離せません。


カラーページの雪音のコスプレ、いくらなんでも斜め上すぎる。