まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『え、みんな古代魔法使えないの!!??? ~魔力ゼロと判定された没落貴族、最強魔法で学園生活を無双する~』感想

え、みんな古代魔法使えないの!!??? ~魔力ゼロと判定された没落貴族、最強魔法で学園生活を無双する~ (ファミ通文庫)

ストーリー
没落貴族の息子レントは幼いころから本を読むのが好きだった。先祖である伝説の大魔法使いが残したその本には魔法にまつわるあらゆることが記されていて、彼はあらゆる魔法を使いこなせるようになった――つもりだった。ある時、レントは王都にある魔法学園の能力検定を受けるも結果は「魔力ゼロ」!? 落ちこぼれ学級のCクラスへ編成させられてしまう。しかしレントの使う古代魔法は現在の基準では測れないだけだと知り、さらにクラスメイトたちも才能が秘められていて――。クラスの仲間みんなでAクラスへ駆け上がれ!? マジカルサクセスストーリー!

伝説的魔法使いの末裔の少年が古代魔法を習得して魔法学園に入ってみたら魔力測定で魔力ゼロ扱いされちゃって……? というところから始まる逆転劇×魔法学園ストーリー。
ベタと言ってしまえばそれまでだけれど、テンポの良さやリーダビリティの高さで読ませてくるのはさすがベテラン作家という感じ。
一方、主人公の「魔力ゼロ」扱いがあっさり解消されてしまいそうなので今後どうするのかが気になります。


田舎貴族の息子ながら800年前の伝説の魔法使いの血を引く少年レント。ところがいざ魔法学園に入学してみたら魔力測定器がレントの魔力を検出できず、あてがわれたのは最下位のCクラスだった!
このCクラスに在籍するのはレントを含めてたった4人。初めこそバラバラだったこの4人が、お互いへの理解を深めながら協力して上のクラスを脅かす存在になっていくというストーリー。
ただ、肝心のCクラスの面々のキャラが、まだあんまり魅力的に見えないかなあ。もちろん1巻なので掘り下げに限界があるというのも分かるんですけど。
でも分かりやすい噛ませ犬キャラで1巻におけるライバルポジのシフルなんかは、初登場時との落差もあってむしろサラやムーノよりも良さが出ていたと思うんですよね。もちろんライバル役が魅力的なのはいいことなんですが。


理不尽な理由でCクラスに落とされたサラはともかく、ポテンシャルを秘めながらもそれを発揮できずにいたディーネやムーノが、自分の長所を発見してそれを伸ばしていく展開は良かったですね。やっぱりキャラクターが成長していくさまを見るのが学園ものの楽しみの一つだと思うので。
それで行くと、やっぱりサラのキャラ立ちの弱さが気になる。なまじ元々強力な魔法使いであるだけに、メインヒロインのはずなのにどうも影が薄いような……。もちろん、ラストの啖呵はなかなかカッコよかったですけど、でもあれはそれ以上に国王がアホすぎない……?
ビジュアルや性格など、結構好みのヒロインのタイプなので、もう少しサラにも活躍の場面や、逆に可愛らしい場面が出てきてくれると嬉しいです。
あとはレントの扱いかな。案外さくっとレントの力が披露されてしまったし、これからどういう部分で盛り上がりを作っていくのか期待です。


イラストは成瀬ちさとさん。コミカルなデフォルメが要所で効いてていいですね。
ライトソードのイラストはアングルが決まっていて格好良かったです。


ミヅハちゃんがわりと推しかもしれない。