まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

黒鋼の魔紋修復士7

ストーリー
昏睡状態のヴァレリアを逃がすことには成功したものの、敵の手に落ちてしまったディー。
彼を連れ出したギャラリナは、魔紋や神話について不可思議な議論を求めてくる。
一方、ロマリックの異変に気づいたアーマッド首脳陣は、軍の出陣とカリンの同道を決定し……。



前巻でムカムカさせられまくったロマリック編が一応解決。
でも何もかもスッキリ、とはならないあたりがこの作品らしいというかなんというか。


いやあ、ファティフといいエレナといいジェコといい、イラッと来る敵キャラを描くのが本当に上手いですね。まあそう感じるというのはつまり敵キャラに散々イラッとしたということなんですけど。徹底的に叩きのめされればいいのにとどれだけ思ったことか。
ヴァレリアが目覚めてくれたのはよかったけれど、かといってたいした進展があるわけでもなく敵に好き勝手されるばかりで、ひたすら我慢の子でした。
ただ、あの八方塞がりの状況からなんとか抜けだして、そんなに悪くない結末へと向かうことができたのにはほっとしました。レギュラー陣でいうならベッチーナとティアルがMVPですか。ベッチーナはやっぱりできる子。


ヴァレリアも結構頑張っていたと思うんですが、なぜかいちばんおいしいところをカリンに取られてしまうのが悔しい。
いやカリンはカリンで好きなんですけどね。でも今回バカにされまくったのはヴァレリアですから、やっぱり彼女に思う存分鬱憤を晴らしてもらいたかったわけですよ。まったくいつになったら「これぞヴァレリアのターン!」というときが来るのでしょうか。永遠に来ないんじゃないかと思えてきました。
それはそれとして、カリンはやっぱり格好良いです。確かな実力と、それに基づく自負。クールで慇懃無礼な言い回し。ほんとおいしいキャラですよね。
カリンとヴァレリアの友情がちょっと見えたのも嬉しかったです。親友と言ってはいるけれど、本当か? と思わされるようなやりとりばかりだったので……。それにふたりともいかにも友達いなさそうな性格じゃないですか(失礼)。


ヴァレリアとディミタールの関係は結局どうなっていくのでしょうか。あとがきでも少し述べられていましたが……うん、やっぱりこのあとがきは好きじゃないな……。
もうここまできたらディミタールがデレるかどうかっていう話なんですけど、正直怪しいところですね。そもそもこのふたりにくっついてほしいかといえば、別にそうでもないことに今気付きました。期待していないだけかもしれませんけれども。
次はどこへ遠征することになるのやら。ルオーマでまったり回も歓迎ですよ。


ディミタールの出番が少ない方が面白い説。