まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

バーガント反英雄譚1 騎士の国の最弱英雄

ストーリー
ジュヴレーヌ王立騎士候補生学園に通うシュンは、成績が振るわず退学の危機に陥っていた。
追試の前にさらに問題を起こしてしまい、いよいよ退学を迫られるシュン。
そんな中、彼の前に思わぬ救いの手が現れて……。



あらすじと表紙に惚れて手に取りました。それが大正解でした。面白かったです!
最初はダメダメな落ちこぼれの主人公シュン。でもなぜかそんな彼を助けようとする学園の超エリートや王国の王女様、そして大陸最強の『剣聖』。
「これは何か裏があるな」と思わされたところから次第に主人公の秘密が明かされていくのが実に気持ちいい。
アクションも良かったし、物語の今後の広がりも予感させてくれるし、かと思えば何気ない会話でくすっと笑わせてくれたりもして、最後まで楽しく読むことができました。


何よりもキャラクターがいい。というかぶっちゃけティンがいい。ティンが最高でした。ビジュアルも含めて、好みにドンピシャすぎる。
十歳にして大陸最強の騎士にのし上がった美少女とか何それ最高なんですけど。そういうの大好き。もっとください。
やっぱり見た目と強さにギャップがあるってのは燃えますよね。またティンの戦いぶりときたらなんとも爽快で、最強の名に恥じない圧倒的な戦闘力にすっかり惚れ込んでしまいました。
ソフィーもたいへんなエリート騎士なんですが、ティンと比べるとどうしても派手さに欠けてしまうのは仕方ないですね。格好良いことには違いないのだけれど。
ティンやソフィーといった大物がシュンを特別扱いしては周囲が困惑するのを見るたびにニヤニヤしてしまいました。愛されてるなあ。
それから、ソフィーたちがシュンを構うのとはちょっと違う理由をお持ちのリュリシア様。
ソフィーとシュンの関係も重要ですが、同じくらいリュリシアとシュンの関係も今後に大きく関わってきそうですよね。
メインヒロインがどちらになるのかはまだよく分かりませんけど、もし恋愛模様が描かれていくようならば彼女にも要注目です。


シュンと、ソフィーやティンとの絆が物語の大きなテーマとして置かれていたように思います。
彼らがなぜこういう関係を作るに至ったのか、シュンの両親のこと、ヴィオニエたちの思惑等々まだまだ謎は尽きません。お話の中で少しずつ明かされていくのでしょう。
ティンはもちろん、今回は出番が少なめだったクロロもなかなかおいしいキャラのように見えるので、彼女のこれからの活躍にも期待しています。
2ヵ月連続刊行ということですぐに次が読めるのが嬉しい。しかもどうやらティンがメインっぽくてさらに嬉しい。ううん、楽しみ。


イラストは珈琲猫さん。表紙もいいけれどモノクロイラストに独特の趣があってかなり好きですね。
ソフィーとリュリシアが睨み合っている1枚、体のある部分のぶつかり合いが非常に……気になります。


苦労人なミュスカ先生が地味に好き。