まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『Eクラス冒険者は果てなき騎士の夢を見る 「先生、ステータス画面が読めないんだけど」』感想

ストーリー
“ステータス”――それは神が与えし才能を示す唯一の指標である。この世界ではそれが人生のあらゆる場面で重視され、一生つきまとう。騎士団に入ることを夢見る青年ライは、認識できないステータスを持つことでまともな職にも就けず、万年Eクラスの冒険者に甘んじていた。しかし、その剣筋は並の冒険者には視認できないほど疾く、高レベルの魔物をも瞬殺する実力を持っていて――。定められた運命に抗う、落ちこぼれ冒険者の英雄ファンタジー、開幕!

公には万年Eクラス、でも実は最強の冒険者である主人公が、冒険の中で自らの価値を周囲に知らしめていくファンタジー。
ステータス画面が読めないというイレギュラーのせいで新人冒険者にすらバカにされる立場だけれど、その強さは知る人ぞ知る……というベタな設定が楽しいですね。
ミステリアス美人エルフのリカさんは非常に魅力的だけれど、個人的には聖女様が気になって仕方ない。


生まれ持ったスキルとそれを示すステータスによって人生の全てが左右されてしまう世界で、なぜかステータスが読めないという異常事態に見舞われてしまった主人公・ライ。
同窓生の嫌味なアイツは騎士様になっているというのに、自分はしがない冒険者で、それもステータスによって成果が評価される規定のせいで、ド新人にすら笑われてしまう立場の万年Eクラスで。
剣の腕は明らかなのだから、特例じゃだめなのかとも思うんですが、世の中は厳しいもんですね。色んなしがらみがあってね。
しかしね、周囲の木っ端どもはいいとしてもですね、実際は王都でも最強の冒険者だというのに、当のライ自身が自分の強さに気付いていないというのはなんとも、切ないやら呆れるやら、笑ってしまうやらですわ。なんという愚直脳筋……。


万年Eクラスであっても、彼の力を知っていて、彼を信頼する数少ない人たちは存在します。
そのうちのひとりがヒロイン・リカリアーナ。ギルドきっての美貌を誇りながら男どもを寄せ付けない孤高のエルフ。でも唯一ライだけには何かを気を配って温かい声をかけてくれて、ちょっと気の緩んだところさえも見せてくれる……うーむ、鉄板の可愛さだ。ギルドの受付嬢であると同時に凄腕の冒険者っていうのもベタだけれどいいじゃないですか。
ひたむきな天才魔女っ子・フレミアも可愛らしかったけれど、今回のヒロインはやっぱりリカさんですね。でも最後の最後、満を持して顔を見せたライの幼なじみにして聖女様・システィナの破壊力が凄くて、なんというか持ってかれちゃいました。次巻ではシスティナの活躍も用意されているんでしょうか。期待してます。


イラストは森沢晴行さん。淡い色合いがファンタジー世界によく合うんですわ。
システィナのイラストはゾクッときましたね!


見た目はおじいちゃんの剣聖、これまたベタな(好き)。