まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『十三歳の誕生日、皇后になりました。4』感想

十三歳の誕生日、皇后になりました。4 (ビーズログ文庫)

ストーリー
「――誰も私のことを見てくれない」
そんな思いを抱える人の希望になればいいと後宮にお手紙箱を設置した莉杏。女官採用試験で起きた疑惑や、夜中の幽霊騒動など新たな難問に挑むことになるが、がんばる妻を暁月はさりげなく助け、見守ってくれる。そんななか、莉杏の食べた月餅に皿の欠片が混入! さらに「命、狙われています」と怪文書が届き!?

優しき十三歳のお手紙箱
莉杏、めっちゃ出来る子ーーーーーっ!!!!!
もともと健気でがんばり屋さんで心優しい少女だったけれど、巻を追うごとにその聡明さが際立ってきていて成長ぶりがすごい……十三歳にして「できる上司」感さえ漂っている……。
莉杏の一途な恋はもとより、暁月の方もなんだかんだで莉杏への愛情が順調に育ちつつあるようで、ニマニマしながら読みましたよ!!


新しい女官を採用するための試験で、候補者たちの不正を偶然知ってしまった莉杏。
ここで声高に不正を暴いてみせて、褒めてもらおうなんて普通の子どもだったら考えそうなところ、皇后の自覚が芽生えてきた莉杏は違います。
自分が子どもだという事実を利用して、それとなく周囲に疑念をもたせるように仕向けていき、最終的には他の人の口から不正を暴いてもらう、この手腕にはちょっとびっくりしました。もちろん暁月にヒントをもらってのことだけれど、あのヒントからこのやり方を思いついて実行してみせる能力がすごい。そのポテンシャルたるや、ちょっと計り知れないものがありますね……。暁月が後宮のことを莉杏に任せる気になったのにも納得です。
幽霊騒動のことを知ってしまったときの、女官長への気遣い力もえげつない。ええぇー、聡明なだけじゃなくて空気まで読めちゃうのー!? 三十路のワイより全然大人やんけ……(笑)。


楽しい収穫祭の裏でうごめく権力闘争。内乱が終わって平和になったと思っても、まだ身内に命を狙われているなんて、本当に莉杏も暁月も大変な立場にいるのだなあと改めて思います。
暁月による「狩り」のはずが、偶然が重なった結果逆に拉致されてしまう莉杏たち。
命の危機が迫る状況でも冴える莉杏の知恵。莉杏にしてはちょっとダーティーなアイディアだったのがまた新たな魅力発見という感じでたまらん……あ、もう莉杏が何やっても好きなやつだわこれ。好きすぎて全肯定のやつだわ。
もちろん、囚われの姫君を助けにくるのは我らがヒーロー。わかってるのに、わかってるのにときめいちゃいますね!!
暁月ときたら、視察にかこつけて莉杏をデートに誘っちゃったりなんかして、だんだん満更でもなくなってきちゃったなこの野郎! たっぷり甘々な毎日を過ごしやがれこの野郎!!


彩可、わりと推せるので再登場願います。