まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『転生王女と天才令嬢の魔法革命』感想

転生王女と天才令嬢の魔法革命 (ファンタジア文庫)

ストーリー
幼い時に前世の記憶を取り戻した王女・アニスフィア。魔法が使えないため貴族からの評価は低いが、独自の魔法理論を作り、一人で研究を続けていた。彼女はある時、天才公爵令嬢・ユフィリアが次期王妃の座から外される場面に遭遇する。アニスフィアが彼女の名誉を回復するために選んだ方法は、一緒に住んで魔法の研究をすることで!? 「ユフィ、私と一緒についてきてくれる?」「望んでくれるなら、どこまでもお供します。アニス様」キテレツ転生王女とクール天才令嬢との出会いが国を、世界を、二人の未来を変えていく。王宮百合ファンタジー開幕!

前にWeb版の第1章までを読んでいたのですが、書籍版も結構違うよと言われたので読んでみました。
魔法に憧れつづけた結果破天荒な研究家になってしまった王女様と、彼女によって王子による一方的な婚約破棄から救われた魔法の天才の公爵令嬢が、ともに手を取り合い魔法の発展のために歩んでいくふんわり百合ファンタジー
王妃になるために自らの意思を持つことを戒めてきた令嬢が、何かと無茶苦茶な王女様に振り回されて次第に心を開いてゆく姿が愛おしく、ほっこりします。


未来の王妃として王子と婚約していた公爵令嬢・ユフィリア。しかし彼女は王子によって見に覚えのない罪を着せられ、婚約破棄を突きつけられてしまう。
そんな断罪シーンに文字通り飛び込んできたのが破天荒な言動で毎日王国を賑わすハチャメチャ王女様・アニスフィア。颯爽とユフィリアをさらってみせたアニスフィアは、自分の「魔学」の助手として彼女をスカウトする……というところから物語は始まります。
今作の見どころはなんといってもアニスとユフィの凸凹コンビによるふんわり百合展開ですね。
自分の思うままずんずん進んでいくアニスと、王女に振り回されて困惑しながらもだんだんと彼女のことを理解していくユフィが、お互いの手を取り合って王国のため民のために歩んでいく姿がとてもよろしい。
パッと見は窮地に立たされたユフィをアニスが救った形ですが、実はアニスにとってもユフィとの出逢いは大きくて。単純に助手としてだけではなく、天才であるために周囲から誤解されがちなアニスの理解者として(もちろんイリアがいるけれど、年の近い友人としての)ユフィの存在はとても大きいと思います。


王女でありながら上級冒険者としてモンスターの群れに突っ込んでいくアニス様かっけえなあ。王国を襲おうとするドラゴンに唯一の飛行戦力として立ち向かう姿ときたら、とても一国の王女とは思えないほど。
何がそこまで彼女を突き動かすのかといえば、ただひたすらに魔法への、魔法使いへの憧れでした。
もはや狂気にすら見える彼女の魔法への渇望。ほとばしる情熱とエネルギーに満ちた王女が、頼りになる相棒とともにどんな新しい世界を作っていくのか。これからの展開が楽しみです。


イラストはきさらぎゆりさん。ユフィが可愛い。イリアも可愛い。さすがアニス様、女の趣味がいい(笑)。
ドラゴンとのバトルもちゃんとイラストになっていて嬉しい。


目下一番気になるキャラクターはアルガルド王子。