まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『ワーウルフになった俺は意思疎通ができないと思われている 1』感想

ワーウルフになった俺は意思疎通ができないと思われている 1 (HJ文庫)

ストーリー
ある日、目覚めたら異世界ワーウルフに転生していた竜之介。しかもワーウルフは人間はおろか他の魔物とも意思疎通ができない種族だった! 超ハードモードな状況に戸惑う竜之介だが――「……わたしと一緒に、テイムロイヤル、出てほしい」テイマーを目指す美しいお嬢様・エフデを救ったことで、彼女のパートナーとして生活することに! しかしこのお嬢様、名家出身のはずが貧乏でバイト三昧と、何やら訳ありのご様子……!? 言葉はなくても心でつながる異世界ワーウルフ転生譚、開幕!

皆のもの出合え出合え、比嘉智康先生の新作じゃ! 祭りじゃ! フェスティバルじゃ!
ということで久しぶりに出た新作は、言葉を話せないワーウルフに転生してしまった少年が心優しい少女のテイムモンスターとして彼女を守るために励む異世界ほのぼのファンタジーコメディ。
言葉を交わすことができなくても主人公に温かく接してくれるヒロインとのやりとりにほっこりする一方、ところどころで比嘉作品らしい妙なセンスが光っていてニヤリとする一作でした。


ファンタジー世界にワーウルフとして転生した主人公の竜之介。ところがこの世界のワーウルフは人間と意思疎通ができないとされるモンスターだった!
お互いに言葉が理解できないのではなくて、竜之介だけが一方的に人間の言葉を理解できるというのがミソ。どうにか意思を伝えようとする竜之介と、その行動をワーウルフのおかしな習性と勘違いする周囲とのくいちがいぶりが可笑しい。
パートナーとなった少女エフデとともにテイムモンスターの大会に出たり実は貧乏令嬢だった少女のために金を稼いだり……話の表面だけなぞるとわりとベタな展開ながらも、なぜか競馬用語が頻出したりやたらムカデ推しだったりと要所要所で独自性を感じさせるセンスはやっぱり比嘉智康!! って感じで笑っちゃいます。クセが強いんじゃ。でもそこがいいんじゃ。


たまたま出会ったワーウルフに愛情たっぷりに接してくるエフデの可愛らしさ、いい人ぶりは言わずもがなですが、なんだかんだで竜之介改めキズナもめっちゃいい奴ですねこれ。
目立つヒーローになるのではなく、自分の守りたい少女のために影となって動く。なんて出来たオオカミ……!
もっともその過程でさくっと何人ものヒロインとフラグを立てている感もあるので、どこかでハーレム展開も出てくるのかしらと楽しみなところ。
個人的にはパリピちゃん一押しですね! サブヒロイン枠に期待!


イラストは福きつねさん。キャラクターの表情が豊かで楽しいイラストでした。
ブレイク様の唖然顔すき。


あとがき読んでグッときちゃったよ。マジで応援してるよ。