まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…8』感想

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…8 (一迅社文庫アイリス)

ストーリー
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私。魔法省を舞台にしたゲーム続編で、出戻り令嬢カタリナは闇の力を手に入れて破滅する!ーーそう知って全力でバッドエンドを回避するつもりだったのに、気付けば闇の使い魔ポチに続き、闇の契約の書の所有者に!? 破滅回避方法不明のまま、王宮で開催される他国との交流会に参加することになってしまい…!? あれ? これってゲームのイベントじゃないわよね? 大人気破滅回避ラブコメディ、第8弾登場★

ここ最近、超遅ればせながら悪役令嬢ものにハマりまして、「なろう」で有名どころを読み散らかしていたのですが、中でも一番ドハマリして書籍版からコミカライズまで全部集めたのが今作。
ということで8巻感想と銘打ってはおりますが、前回の更新に引き続きシリーズまとめての感想もさくっと。


乙女ゲームで必ずバッドエンドを迎えてしまうライバル役の悪役令嬢・カタリナに転生してしまった主人公が、幼少期からその破滅フラグを回避するために奮闘する(逆)ハーレムコメディ。
なんといっても、前世で猿と呼ばれたポンコツ体育会系ド庶民の魂を引き継いだカタリナが、天然のタラシぶりを発揮して無自覚に周囲の人々を(男女問わず)恋に落としていくのが楽しい!
元々の乙女ゲームの攻略対象たちだけでなく、元々のゲームの主人公や他の貴族令嬢たちまでがカタリナにゾッコンというハーレムぶりなのだけれど、それが少しも不思議ではないくらい魅力的なイケメンヒロインっぷりが痛快なのですわ。
公爵令嬢なのに、庶民にしても突飛な発想でやたらアグレッシブな行動力を発揮するもんだから単純に見ていて面白いし、他の人のために簡単に危険に足を突っ込むもんだから守ってあげなきゃ感が凄いし、底抜けに優しさを振りまくのに周囲からの好意には鈍感なあたりにハーレム王としての資質を感じるんですよね(笑)。


では彼女に惚れてしまうキャラクター陣はどうかといえば、これまたなかなか魅力的な面々。
ゲームでの攻略対象のジオルドやキース、アラン、ニコルといったイケメン軍団。メアリにマリア、ソフィアといった令嬢たち。みんなそれぞれの良さはあるんですが、個人的にはやっぱり女性陣を応援したくなってしまうなー!
いや、ジオルドとの一方的なラブコメっぷりももちろん楽しいんだけれど、令嬢組が単純にヒロインとして素晴らしすぎてね……。カタリナがイケメンなので隣にはマリアとかソフィアみたいな正統派ヒロインが寄り添っているのが似合っちゃうんですわ。もちろん愛に貪欲な腹黒メアリさんも大好きです(笑)。


8巻では近隣の王侯貴族が集まる会合に公爵家令嬢として参加することに。最近攻め攻めなジオルドと、そんな彼にタジタジになりつつも全く恋愛には発展しそうにないカタリナの凸凹カップル感は相変わらずで笑えてしまいます。
いや今回はジオルドにもかっこいい見せ場があったし、普通ならあそこでぐっと距離を縮めるところですけど、それ以上にマリアを助けに入るカタリナのイケメンぶりの方が印象に残ってしまうのだからジオルドも不憫というかなんというか。結局縮まったのはジオルド→カタリナの思いとマリア→カタリナの思いばかりで、当のカタリナは無自覚という。うーむ不毛だ(笑)。
そしてこんな事件がありながら「大したこともなく」とか暢気なことを言ってのけちゃうカタリナ様の大物感よ……メンタル強すぎる、これは勝てんわ。


一気に読んできたので新刊が出るまで待たなきゃいけないのがめっちゃ辛い! 魔法省のお仕事とか、カタリナと闇の魔法書のこととか、気になるあれこれがいっぱいあるので早く続きが読みたくて仕方ありません。
それにしてもアニメ前に読めて良かったな。動いて喋るカタリナ様ほんと楽しみにしてますよ。


イラストのひだかなみさんによるコミカライズ版も素晴らしいのでぜひ。