まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『スパイ教室02 《愛娘》のグレーテ』感想

スパイ教室02 《愛娘》のグレーテ (ファンタジア文庫)

ストーリー
不可能任務を見事達成させた新生スパイチーム『灯』。次のミッションは冷酷無惨のスパイ殺し『屍』の排除。より過酷な任務に、クラウスは最強のメンバーを選別する。しかし、「あぁ。残念ながら、今回の任務には八人全員を連れていけない」選ばれたのは実力に不安の残る四人の少女。「現時点における――『灯』最強の四人で暗殺者に挑もう」そう告げるクラウスの真意は――? またメンバーの一人は、そんなクラウスに抱く恋慕が暴走していき――。クラウスが仕込んだ「嘘」が明かされる時、少女たちの真価が試される!

1巻は大変な面白さながら一度きりの飛び道具みたいな構成でもあったので、続巻はどうなるかなーと思っていたのですが嬉しいことにまったくの杞憂! 今回も見事な嘘とキレキレの伏線回収劇で素晴らしかったです!
今回は四人の少女での別行動ということもあり、前巻であまり目立っていなかったキャラクターの活躍もたっぷり描かれました。
特に副題にもなっているグレーテの有能さったらなかったですね! この調子で一人ずつ描かれていくのだとしたら、これからが楽しみで仕方ありません。


今度の任務は共和国に潜む暗殺者の殺害。しかし八人の少女たちは未だ発展途上。彼女たちの命を危ぶんだクラウスの決断は、八人の内から四人を選抜して任務に同行させること。そして選ばれたのは、なぜか八人の中でも特に実力が不足していると思われる四人だった!
その実力不足の四人の中にしっかりリリィが含まれてしまっているのには苦笑い。リーダーなのに……。でも普段のドジっ子ぶりといざという時の有能さのギャップが彼女の魅力なので仕方ないね。なんだかんだでやっぱり一番活躍してほしいのは彼女だったりもするので出番が多いのは嬉しいです。
残りの三人は、窃盗のプロのジビア、動物使いのサラ、変装の達人のグレーテ。彼女たちは前巻では名前が出るのすらだいぶ後になってからだったので、初めてしっかりとキャラクターが描かれたように思います。
猪突猛進なジビア、気弱なサラ、クラウスへ偏執的な愛を捧げるグレーテ……ポンコツリリィを加えて凸凹四人衆といった具合ですが、決めるところで格好良く決めてくれるのは皆同じ。メンバー同士でのちょっとしたやりとりや励ましあいも微笑ましくて、知れば知るほど愛おしくなってくる子ばかりで全員を応援したくなってしまいますね。


迫りくる襲撃者の影。そして明かされる真実。あーなるほど、今度はそう来たかあ!
いやー綺麗に騙されました。思い返せばそこかしこに違和感がありましたが、それがこう繋がってくるとはね……。前巻に負けない嘘の扱い方に天晴の一言ですわ。こんだけの驚きを毎回提供してくれるつもりなんですか? ハードル爆上がりしちゃってますけど?
そしてグレーテさん! あんたとんでもない才女だよ! 灯はピーキーな才能の持ち主ばかりだと思ってましたけど、どえらい有能スパイが紛れ込んでいたもんだよ! 愛する男のためにその負担を肩代わりしてみせる《愛娘》さん、ちょっと本気で凄かったです。格好良かったー!
リリィとジビアもそれぞれの長所を活かした味のある戦いぶりを見せてくれたし、サラは後方支援組だったのでさほど目立ちはしなかったものの、実は影のMVPという感じでしたね。
エピローグでは気になる次回予告が。おそらく今回描かれなかった4人の活躍が見られることと思います。めっちゃ楽しみ。


ナイスガーターベルト!(挨拶)