まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『魔法塾 生涯777連敗の魔術師だった私がニート講師のおかげで飛躍できました。』感想

ストーリー
魔法大国・日本のトップ魔術師に史上最年少で成り上がった天才・鳴神皇一郎。だが、仲間の裏切りに遭い、ニートに転落。そこへ亡き恩師の娘・結が「私が経営する魔法塾・黎明館の講師になって」と頼んできた。承諾した皇一郎だったが、やって来る塾生は、生涯全敗の魔法騎士・ベアトリクス、禁忌の術で死霊軍団の結成を夢見るお嬢様・芙蓉、ヤンキー魔法高校で屋根裏登校をする謎の少女・つぼみ……と落ちこぼれや変態ばかり。「安心しろ。俺がこの塾を『母校より母校』と思える場所にしてみせるから!」。天才と呼ばれた元ニートによる、カリスマ講師としての破天荒な指導が始まった……笑いと感動を巻き起こす、はみだし魔術師たちの痛快魔法塾コメディ!

仲間に裏切られて最強魔術師からニートへと落ちこぼれてしまった主人公が、魔法塾の講師として残念塾生たちを全力指導!
壱日千次らしい変人だらけギャグまみれ、でもしっかりと燃える展開を用意してくるところがニクい。
周囲から馬鹿にされ続けた少女の下克上、控えめに言っても最高です。


日本で最強の魔術師だったのに、今や匿名掲示板で自分の擁護レスを書き込むだけのニートと化した主人公・皇一郎。
恩師の娘・結に引っ張りだされ、新たに彼女が立ち上げた魔法塾の講師として働くことになるのだけれど……。集まってきた塾生ときたら、剣が相手に当たらない呪いにかかった魔法騎士だの、ネクロマンサー志望のお嬢様だの、狭い空間に興奮する謎の少女だの、とびきりのキワモノ揃いなのでした。
いやあ、毎度ながら変人・変態ヒロインを書くのがうまいですね、壱日先生! 主人公も含めて基本みんな残念なやつらが、アホにアホを重ねていく軽快な会話劇。ほんと、最高に楽しいです。下ネタもガンガンやりつつ、下品になりすぎないバランス感覚はさすが。
そしてギャグが根っこにありつつも、恩師との忘れ形見たる結や、周囲とあまり交わることができない3人娘とのほっこりエピソードなんかもきちんとぶっこんでくるんだから、ずるいんですわ。


生涯で敗北しか経験したことのない魔法騎士のベアトリクス。当然周囲の視線は冷ややかなもの。
学内での試合に勝たなければ、オーク(みたいな同級生)の嫁にされる! やばいくっころにされちゃう! ……というところで、皇一郎との特訓の成果を存分に見せつけていく展開が熱い。
確かな力量があって、努力もしているのに報われない。そんな悲運を知恵と工夫でぶっ飛ばす。いやあ、スカッとしました。
そしてそれは皇一郎も同じ。自分があの「鳴神皇一郎」だということを塾生たちに隠していた彼が、土壇場で見せつけた衝撃の魔術。能ある鷹は爪を隠すってのはバトルものの王道ですが、やっぱりいいもんですね。
次の指導相手は芙蓉かつぼみか。皇一郎を裏切った他の七神将がどう出てくるか。今後の楽しみもいっぱいです。


イラストはリン☆ユウさん。ヒロインは可愛く、そして主人公は格好良く。
バトルシーンのイラストももっと見たいですね!


13歳幼女に優しくこき使われるのいい……すごくいい……。