まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『出会ってひと突きで絶頂除霊!』感想

ストーリー
――絶頂除霊。それは突いた相手を生者死者問わず絶頂させ、もののついでみたいに昇天させる猥褻能力。絶頂除霊などという呪われた能力を宿した少年・古屋晴久は、同じような呪いの眼――淫魔眼を持つ少女・宗谷美咲に出会ってしまう。その眼によって弱みを握られた晴久は、半ば強制的に退魔師史上最低最悪なチームを組むことに。初めてのまともなお仕事は、怪異「乳避け女」との大活劇。今宵も街には嬌声が響き渡る。それは紛れもなく、昇天の証明。ポンコツ退魔師たちが卑猥な能力で大活躍?ちょっぴりエッチな退魔活劇!!

声に出して読みたい日本語「絶頂除霊」(嘘)。うん、タイトルで落ちてる感ハンパないね!
恥ずかしい能力を隠しながら霊を次々と絶頂させていく主人公に、顔を見た相手の性癖が全て分かってしまうという恐怖の魔眼を持ったヒロイン、女の子大好きおっぱい大好きのドスケベチームメイト(なお本人も女子)と、それぞれの方向に変態が振り切れた最凶チームの奮闘ぶりが楽しい作品でした。
タイトルのわりには描写自体はわりとサッパリしていて、案外健全なエロだったかも。健全なエロってなんだ。


退魔師を育成する退魔学園で落ちこぼれの主人公・晴久には、周囲に隠しつづけている能力があった。
それが、対峙した相手の体に現れる「快楽点」を突くことで強制的に絶頂させ、ついでに霊の場合は昇天させちゃう悪夢のような変態能力「絶頂除霊(テクノブレイカー)」である! ってやかましいわ。
高レベルの霊でも一発昇天させちゃう力なのだけど、そりゃ、周りの目がある中では絶対に使えませんわな。恥でしかないもの……。
そんな彼とチームを組むことになるのが退魔師の名門の娘にして「淫魔眼」の持ち主・宗谷なんですが、この淫魔眼というのがまたたいへんで、目で見た者の性経験や性癖等々がことごとく分かってしまうという地獄のような能力。
見た目はとびきりの美少女なのに男どもの裏の顔が分かっちゃうせいで恋愛もできない彼女(そりゃそうだ)。告白をされたときには「そういう趣味の人はちょっと」と性癖を真正面から言い当てた上で振るという鬼畜極まりない所業に出るとか。恐ろしすぎる。
ストレートに変態という3人目のチームメイト・烏丸を加え、何かと振り切れた3者がチームを組むことで、奇跡の化学反応が起こるのか! 悲劇が拡大するだけのような気もするな?


退魔師が退魔師なら、霊も霊。ということで晴久たちが担当することになった事件は、巨乳に恨みが募って通り魔と化した怪異「乳避け女」。
結果的にめちゃくちゃ危ない怪異だったわけですけど、どうしてもシリアス感は出ないよね。もうしょうがないよね。
絶頂除霊以外はまるで使い物にならない晴久、基本スペックがポンコツな宗谷、エロい気分にならないと本気が出せない烏丸。とても事件を解決に導けそうにはないどころかむしろ事案を起こしそうな3人が、ドタバタ騒ぎながらも最終的には勝利をつかむ。なんだかんだで熱い気持ちにさせられました。
ラストバトルでは晴久の能力が異常な成長を(もとから異常だけど)遂げたりもして、今後の展開が気になるところ。


イラストは魔太郎さん。表紙イラストのエロ可愛さが完璧に近い……。
芽依のイラストをもっとくれ。もっとだ。


やっぱり前作は気の迷いだったんですよね。そうなんだよね。もう素直になってもいいんだよ(慈愛の目)。