まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

よろず屋退魔士の返済計画1 100億の契約書

よろず屋退魔士の返済計画 1 100億の契約書 (オーバーラップ文庫)

よろず屋退魔士の返済計画 1 100億の契約書 (オーバーラップ文庫)

ストーリー
退魔の名門「神藤家」から破門され、かつて住んだ家に戻ってきた追儺狗朗。
家で彼を待っていたのは、幼馴染の九十九みぎりと100億円という莫大な借金だった。
借金返済のため、みぎりの発案で「死者専門の何でも屋」を開業する狗朗だが……。



幽霊相手に何でも屋を開いて100億円の借金を返済していくラブコメディ。
退魔士としては営業できないけれど天才と呼ばれた主人公と、そんな狗朗の幼馴染にして債権者のヒロインが繰り広げるドタバタ劇が楽しい作品でした。
死者という重いものを扱っているわりに明るめのギャグストーリーになっていて、気楽に読める内容ですね。


主人公の狗朗は対立するふたつの家系それぞれの天才同士の間に生まれた不遇の子です。
疎まれ蔑まれて育ち、しまいには破門までされながら、退魔士としてはトップクラスの才能を持っているという設定が熱い。
まあ何でも屋に持ち込まれる案件はあまり退魔士の能力など求められないものがほとんどのようですが、いざというときにはやっぱり主人公らしく格好良い姿を見せてくれるのだろうという期待感があります。本格的なバトルがあるかどうかもまだ分かりませんけどね。
狗朗の幼馴染で、100億円の借金を狗朗に課した張本人がメインヒロインのみぎり。
100億円てそんな子供みたいな……と言いたくもなってきますが、それもみぎりが狗朗と一緒に行動するための方便と思えばまた違って見えてくるというもの。まあそれにしちゃわりとガチで返済させるつもりのようですけど。
狗朗の方がぼんやりしてる分、みぎりがどんどん引っ張って彼を振り回していくことになるわけですが、こんな関係もいいなと思いました。幼馴染ならではの遠慮のなさがちょっと素敵。


個人的には第3章が綺麗にまとまったお話で好きでした。終盤で多少シリアスも入りましたが、基本としては第2章-第3章のようにコメディ主体で行くのかな。
途中から登場してきた葛は狗朗のいい比較対象でしたけど、それでもまだ狗朗がどれだけ凄いのかピンときていないので、今後はそのあたりもしっかり描かれると嬉しいです。
さて、1巻だけで予想以上に減らすことができたとはいえ、まだまだ完済までは遠い100億円。次は何億円返すことができるのやら、楽しみですね。


イラストは蔓木鋼音さん。目の描き方が印象的な絵柄でした。
ビジュアルでは鬼哭姫が好き。


カリスマ霊能力者ってそんなに儲かるものですか。