まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

RAIL WARS!12 -日本國有鉄道公安隊-

RAIL WARS! <12>日本國有鉄道公安隊 (クリア文庫)

RAIL WARS! <12>日本國有鉄道公安隊 (クリア文庫)

ストーリー
冬休み直前、一人だけでアメリカへ飛ぶことになった桜井。
岩泉は氷見や札沼とキャンプに行く予定になっており、高山は小海の別荘でクリスマスイブを過ごすことに。
ところが二人で乗り込んだ上越線の列車が雪崩に遭い、トンネルの中で完全停車してしまう……。



雪で閉ざされたトンネル、地下深くの駅に吹雪で取り残され、ひとりずつ姿が消えていく人々……と、雪国サスペンスのロマンが吹き荒れる第12弾。
毎度ながら、そんな事件が起きるわけないだろ、深読みしすぎだよ、というキャラたちの想像が見事に的中して、トンデモな事件が起こってしまう様式美よ! ありえないけど正直嫌いじゃないぜ!
桜井不在の中、ずるいくらいのメインヒロインっぷりを発揮してくれた小海さんが超可愛かったです。


今回の舞台は冬の上越線。小海さんと一緒にクリスマスイブを過ごすとかいう羨ましすぎる年末のため、ふたりで列車に乗り込む、のですが。
まずは雪崩が起こって、列車自体はギリギリのところで避けたものの、電線が切れてトンネルの中で立ち往生。
運転手と車掌を含めてたった11名、冷え込んだトンネルの中を歩いて「日本一のモグラ駅」こと土合駅へと向かうことになるのです。
車いすの奥様に使用人のコンビが交じっていたり、明らかに怪しい言動の女がいたり、いかにも最初の被害者になりそうな(笑)チャラ系カップルがいたりと、いつになくサスペンス調の登場人物たちがワクワクさせてくれました。
舞台設定がまたいいですね。モグラ駅なるものは初めて知りましたが、こんな楽しそうな駅があったのか! 外の吹雪とあいまって、密室とまではいかないまでも、こちらも何かが起きそうな雰囲気がプンプンします。


土合駅のホームに集う疲労困憊の一同。長い階段を上って駅まで辿りついても外部と連絡は取れず、それどころか、ひとり、またひとりと姿を消していく始末。
かといって、すわ、殺人事件か!? なんて、正直こんな程度では疑うのもおかしいところなのですが……。
実際のところ、それ以上のとんでもない事件に発展してしまうんだから高山の事件遭遇率は恐ろしい。どこぞの名探偵も真っ青ですわ。
今回は鉄道ネタは控えめでしたが、その分路線や駅の描写が多くて、ぜひ一度行ってみたくなりました。隣に小海さんがいてくれればな……。
高山とふたりきりでいちいち可愛いことを言ってくれる小海さんが、もうほんとに可愛すぎて、今回は完全に小海さんの可愛い祭りでした。高山は意外と一途なので、大丈夫なような気もするけれど……とりあえず桜井よ、早く帰ってこい!


口絵の桜井の季節感の無さ!