まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

GOSICKⅤ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋―

  • ストーリー

夏の終わり、いきなり学園からいなくなってしまったヴィクトリカ
九城は彼女を追って、リトアニアに存在する修道院<ベルゼブブの頭蓋>へと向かう。
修道院に着いた九城を待っていたのは、謎めいた夜会と、そこで巻き起こる殺人事件だった……。


学園から消えたヴィクトリカを助けようと、九城が奮闘する話。
前日まで一緒にいたのに、急にいなくなってしまったヴィクトリカを探す九城。
そんな彼に、悪口でいっぱいの手紙を残していったヴィクトリカ
あのヴィクトリカが、荷造りもせずに、九城のために、手紙を書いていったのだということに、思わずじんときてしまいました。
彼女がどんな気持ちでこの手紙を書いたのか、読者からは想像することしかできないけれど、きっと迎えに来て欲しかったんだろうな。


九城はよく頑張っていました。大切な人を守るため、助けるために、懸命に走る姿がとても格好良かったです。
で、また、再会したヴィクトリカが可愛いんだなあ、これが!
九城の名前を意味もなく繰り返し呼ぶヴィクトリカが可愛くて可愛くて仕方ない。にやけてしまう。
離れていても確かな絆でつながっていることがまた確かめられたわけですが、今の2人ってどういう関係なんでしょうね。
本人同士は友人だと言っていますけど、もちろんただの友人じゃなくて、もっと特別な、何か別のもの。
恋人っていうのも違うし、パートナーとでも言えばいいんですかね。
まあ呼び名なんてどうでもいいですね。心と心でしっかりと結ばれた大切な関係がここにあります。


今回の事件は、今までに比べて人為的なものが見え隠れしています。
奇術がネタになっているからかもしれないし、隠れされてきた黒幕たちが次々に登場してきたからかもしれません。
何気なく出てきた人物の意外な正体、不意打ちのような登場の仕方に、何度もドキリとさせられました。
王国の裏でうごめく闇が本格的に動き出し、いよいよ物語が核心に近づいてきたのを感じます。
この大波をヴィクトリカと九城がどうやって乗り切っていくのか。注目です。


いよいよ盛り上がってきたところでなんと次巻に続く。
控えるのは、大陸横断列車殺人事件と、<形見箱>の謎。
ああ早く読みたい。でも次は、短編集の2巻です。


あの髪型、まだ進化を続けていたんだな……。