まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

のうりん2

のうりん 2 (GA文庫)

のうりん 2 (GA文庫)

ストーリー
次第に農業高校での生活にも慣れ、自分で大豆を育て始めた林檎。
そんな彼女を横目に、耕作たち2年A組一同は今日も馬鹿騒ぎを繰り広げる。
それどころか、最強の刺客『四天農』までが動き出してきて……。



1巻のあのインパクトから数ヶ月、大いなる期待を持って読みましたが、見事にそれに応えてきてくれました。
笑いすぎて、横隔膜とか気管支とかが大変なことになってます。誰か酸素を! 酸素をください!
とにかくこの怒涛のギャグ圧。押して押して押してまだまだ押しまくるギャグの連続にもうへとへと。笑い疲れってこういうことか。
まともなところはまともなんだけれど、一度調子づいてしまうとノンストップで最後まで突っ走ってしまうから、ついていくのが大変なんです。
ぶっ飛ぶところは本当にぶっ飛んでいて、ギャグとしても少しやりすぎじゃないかとさえ思うけれど、これがこの作品の持ち味だとも言えるんですよね。
ツッコミ不在なことも多々あって、これがまた困ります。全体的におかしなことになっているのに誰も止めてくれない。だからさらに流される。
流されるままに笑っていって、ふと冷静になって振り返ってみると、周りが全部狂ってしまっていて、一体どこだよここ! という状況。しかしそれがまた楽しい。


林檎は今回もマイアイドルでした。前巻に比べてだいぶ口数も増えて、気持ちを表すことも多くなって、よりニヤニヤ分が増加。
ヒルのひよこを見てテンション最高潮、「かわいいかわいい」と連呼する姿……、くう、可愛いのはお前の方だよ!
不器用ながら耕作へのほのかな想いもちらつかせてきて、たまらない。農には悪いけど、ぜひともこのまま最後まで行っちゃって欲しい。
新キャラとして『四天農』が登場しました。良田さんを入れると5人だけれど、四天農。
薄々感づいてましたが、この作品あれですね。変態しかいないんですね。いや分かってたけどね。
良田さんがほぼ唯一の良心でしょうか。それでもとても足りない。大抵打ち負けるし。
肝心の林檎はというと、ギャグになると途端に影が薄くなるような気が。コメディで出番がなくなるラブコメヒロインってどうなの。
四天農の中では、個人的にはなんといってもバイオ鈴木推しです。なぜなら可愛いから。もうそこしか道は残されていないんだ。


最初からずっとドタバタやってきて、終盤でいきなりシリアスパート。この落差たるや。
彼女がずっと、あれほどまでに執心する姿を見せてきたのは、最後にこれが待ち受けていたからなんですね。やりきれないなあ。
でも、農林高校という場所を舞台にする上で、こうした農業の辛さとか苦しさをきちんと描いてくれるのは、やはり好感が持てます。
私も、自分が育てたわけでもないのに、胸が痛みました。この悲しみを乗り越えて、彼女がまたひとつ強くなってくれることを望みます。
さらに、林檎がなぜこの高校へと転校してきたのか、耕作に想いを寄せているのかという謎も明らかにされました。しばらく隠されたままだと思っていたのに、意外とあっさりでしたね。
これでまた新しい人間関係が生まれましたが、なんともはや、桃色妄想溢れる展開ではないですか。こっちもこっちでありですね!
この関係に耕作がどう踏み込んでいくのか。また、思わせぶりな予告のあった継に何が起こるのか。次巻も待ち遠しいです。


膨大な量のパロディをとてもカバーしきれないので誰か元ネタwiki作ってくれませんかね。