煉獄姫 四幕
- 作者: 藤原祐,kaya8
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/11/10
- メディア: 文庫
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議員や貴族たちなど、国家の要人が連続で行方不明になるという事件が勃発した瑩国。
それは、法王庁の特務組織実行部隊【使徒】とキリエ、そして未だ暗躍を続けるユヴィオールたちによるものだった。
徐々に国力を削られていく現状を憂い、王弟リチャードは大きな賭けに出る……。
ユヴィオールがしつこくしぶとく生き残っています。
いかにもな小物臭がするので、てっきりかませ犬としてすぐに退場していくものと思っていたのですが、意外と頑張りますね。
ううん、仲間たちはなかなか面白いんだけれど、ユヴィオール本人はどうも好きになれないんだよなあ。
敵のボスにしてはわりと平凡で地味なんですよね。まあ国家を転覆させるような人間でも、実際はそんなものなのかもしれませんけど。
でもやっぱり敵なら敵らしく、何か凄い技を用いて主人公たちを苦しめてほしいわけです。
裏で色々やるだけで自信ありげにほくそ笑むイケメンとか、見ていてイライラしてくるんですよ。ちくしょう。
まさかの表紙に抜擢されたアイリスさん。こっちのアイリスさんはなかなかにいい人のようですね。伝説的犯罪者にいい人も何もないでしょうけども。
魔剣の母としての、魔剣を贅沢に使った戦いっぷりが格好良かったです。というか気持ちいい。
まだ魔剣も残っていることだし、イオさんとのこともあるし、近いうちにまた登場してほしいところ。
フォグたちと共闘とかしてくれたらかなり熱いと思うんですけど。
キリエは巻を追うごとに魅力度が上がってきていますね。
何より、フォグ・アルトとキリエの戦いは見ていて楽しい。やっぱり敵っていうのは、主人公とのバトルが楽しいとそれだけで好きになれる。
実際に現場で見るのは絶対に嫌ですけど。きっと地面じゅうがキリエだらけなんですよ……。
フォグたちとただ憎み合うだけじゃなくて、ある意味でお互いを認めている部分があって、そこにぐっとくるんだよなあ。フォグの、『使徒』たちへのあの啖呵は、めちゃくちゃ格好良かったです。
キリエとニーナとの戦いでは本気でキリエを応援してしまいました。どっちもフォグたちにとっては敵なんですが、ライバルであるキリエには常に強くあってもらいたい。
法王庁だろうがユヴィオール一味だろうが、彼女を下に見る人間がいるとむかっとします。あんまり意識したことはありませんでしたけど、やっぱりキリエが好きなんだなあ。
な、なんか出たー! で次回へ続く。物語が大きく動き出す予感がします。
新しい戦い方を会得したアルトですが、果たしてこの相手に勝つことができるのでしょうか。
アルトは精神的にも成長しているし、フォグやキリエとの関係がどうなっていくのかにも注目ですね。
老執事分が足りなくて少し残念。