まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

のうりん5

のうりん 5 (GA文庫)

のうりん 5 (GA文庫)

ストーリー
ベッキー先生に呼び出され、「部活に入って」と言われた林檎。
色々ある部の中から、良田が作った牛の世話をする部活「どうちょけん」に入部することに。
共進会で発表することを目標に、牛を調教して「技」を覚えさせる林檎たちだったが……。



林檎ちゃん愛に溢れている私でも、林檎ちゃん表紙の限定版ではなく通常版を買えばよかったと思うくらい、まぎれもないおっぱい良田さんのための巻。
テーマは畜産。動物を飼って殺して食べる農業ということで、動物への扱いや、家畜の命について、倫理的な問題などなど、全体的に真面目モードで描かれています。
正直に言うと、今回は今までのように素直にお話を楽しむことができませんでした。だって全体的に重いし。ギャグ少ないし。
怒涛のギャグの嵐の中にちょっとシリアスが入っていた、あのバランスが好きだったのであって、ここまでシリアスが強くなってしまうと、ギャグもどこか白けて見えてしまいます。途中から「私はいったい、なんのためにこの作品を読んでいるんだったっけ?」という疑問が浮かんでくるほどでした。
とはいえ、農業を描く上では避けて通れない話題であることも確かですし、こういったことを描くならば、ギャグで茶化すべきではないことも分かるんですけれどね。
ただ、私がこの作品に期待していたものと少しずれていただけであって、お話自体はとても胸を打つものでした。動物に対して人間と同じような思いを抱くことはできない私ですが、良田さんや獣医の渡辺先生の話には、何度も辛い気持ちがこみ上げてくるのを感じました。


さて、今回のギャグは大別して「エロ」と「便」に分けられるかと思います。ひでえ! 結局シモ! でもわりといつも通り!
後者はともかく、前者の方ではまたも良田さんが大活躍。継に対して珍しく押せ押せムードでした。もうくっついちゃえばいいのに。
農業に関してはだいぶ違った考え方を持つふたりですが、相性は決して悪くないと思うんですよねえ。
良田さんの方はデレデレだからいいとして、問題は継の気持ちがどうかということなんですが。そもそも継は良田さんの気持ちに気付いているんでしょうか。もし気付いてやってるんだとしたら相当の策士ですけれども、まあ、それはないか。
耕作をめぐる恋愛はもうどんどんドツボにハマっていく未来しか見えないので、せめてこのふたりには幸せにラブコメしてほしいなあと思うのでした。
ところで、継の部屋のクローゼットに林檎ちゃんのアレがあったことについては結局説明がありませんでしたね。継さんも男の子だったということで解決ですか? 耕作の性癖に比べればよっぽどまともですが!


絶対に泣いてやるものかと思っていましたが、最後の良田さんのことばとイラストには、鼻先がつんと痛くなりました。
これから先牛肉を食べるときに考えこんでしまいそうな内容のお話でしたけれど、すき焼きの描写ではしっかりお腹が鳴ったので、やっぱり本能には抗えないようです。お肉食べたい。
最後に新キャラが登場してきて、次回はまたドタバタギャグが見られそうな予感。真面目もありつつ、腹を抱えて笑ってしまうようなギャグの応酬を期待したいところです。


段々脱げていく牛はかせのイラストが素晴らしい(全力でサムズアップ)。