まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する 2』感想

ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する 2 (オーバーラップノベルスf)

ストーリー
ループ7回目の人生が始まり、皇太子アルノルトのもとへ嫁ぐことになったリーシェ。アルノルトとその弟テオドールとの確執も解け、戦争回避に一歩前進、のはずが。
「騎士候補生の訓練に混ざりたい、しかも『男として』だって?」
未来のアルノルトの強さの秘密を体感するべく、リーシェは男装して騎士候補生の訓練へ参加することに!? アルノルトに発覚しないよう二重生活を送る一方、内緒で城下にお忍びなど、婚約者としての交流を深めていく二人。そこへ、雪国コヨルの王子・カイルが訪れる。リーシェにとって薬師人生の患者でもあるカイル。そんな彼の、国の衰退をかけた決死の願いは、冷酷なアルノルトにすげなく一蹴されてしまい!? このままではコヨル国が存亡の危機に立たされる。その未来を回避するべく、リーシェは一計を案じることになるのだが……!?

男装して騎士候補生の訓練に混ざり込んだり、かつての師匠と再会(リーシェ視点では)したり、過去の人生でお世話になった王子とアルノルトの間で奔走したりする第2弾。
いやあ、自由な子だとは思ってたけどアルノルトのお膝元で堂々と訓練に参加しちゃう肝っ玉には感心通り越して笑っちゃったよ。
表裏でアルノルトとバチバチやりあいながらも、恋愛方面では意外にリーシェ側からもイチャイチャしはじめたりしていて、ニヤニヤ度もUPしてきた感じがします。よきかな。


前世のひとつでリーシェの師匠だった錬金術師ミシェル。飄々として掴みどころのない男だなあと思っていたらアルノルトに並びそうなくらいの危険人物で草も生えない……。まあこの師にしてこの弟子あり感もちょっとありつつ、つくづく、リーシェの過去の人生の波乱万丈さを実感させられます。
なにやら企んでいそうなミシェルへの対処もさることながら、それ以上に問題なのがアルノルトに同盟の話を持ち込んだコヨル王子のこと。アルノルトは優しいんだか残酷なんだか未だによくわからないんだよな。簡単に戦争を始めてしまいそうな危うさもあるんだけれど、リーシェや部下とのやりとりを見ているとそれだけではないような気もしてくるし。
アルノルトにとっては戦争は当たり前の手段であって、結局、リーシェがどれだけアルノルトに対して戦争以上に有益な手段を与えることができるかという話になってくるんですけど。そう考えると改めてリーシェはとんでもないことを成し遂げてますね。世界の命運を握っているといっても過言ではない。


そんな風にめっちゃバトってるリーシェとアルノルトですが、一方ではお忍びで街でデートしたり夜のバルコニーで蛍を見たり、なんだかんだでちゃんとカップルやってます。
いつもはアルノルトが一方的にアプローチするパターンだけれど、リーシェはなんも興味なさそうな顔をしておきながらいきなりアルノルトの瞳と同じ色の宝石がいいとか言い出しちゃうから油断ならない! なんて天然たらしなのリーシェちゃんたら!
お互いにお互いのことをちゃんと愛しはじめているのは確かなのに、まだ一歩踏み込めずにいる関係がじれったくてとても良いので、なんなら無限にやっててほしいですね(笑)。


フリッツが一番不憫まである。