まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない

ストーリー
ライトノベル作家を目指して投稿を続けるもいつも一次選考落ちの高校生・永見祐。
ある日、完璧優等生の中学三年生の妹・涼花から、妹の書いた小説がライトノベル大賞を受賞してしまったと打ち明けられる。
学校の規則や親との兼ね合いで作家デビューできない妹の代わりに、お兄ちゃんが代理人になってくれないかと頼まれるのだが……。



隠れブラコンの妹が書いた妹萌えラノベが小説大賞を受賞! 正体を隠したい妹の代わりにお兄ちゃんが影武者作家となる兄妹ラブコメディ。
いやあ、面白かったです。今までちょっと疎遠気味だったけれど実は超絶ブラコンという妹がとにかく魅力的でしたね!
主人公の方は兄として色々と情けない部分もあったけれど、最後に正直になったから許してやろう(笑)。


主人公・祐はラノベ作家を目指す高校一年生。彼が一次落ちしたライトノベル大賞の大賞作に選ばれたのは、なんと実の妹の作品だった!
普段は別にラノベに興味を示すようなこともない真面目な妹・涼花。そして彼女が書いたラノベの内容は、よりによって兄と妹のイチャイチャラブコメだったりするのでした。
うーん、いいですね。とある過去がきっかけで疎遠になった兄と妹。それが作家の正体という秘密の共有で一気に距離を縮めていく。
表面上は普通の妹を装っているけれど、実際は超のつくブラコンという涼花が実に可愛いです。大賞を取った小説も彼女が密かに書き溜めていたお兄ちゃんとの妄想ノートが元ネタだというんだから筋金入りの変態ですね! その辺の小説投稿者とは小説に込める愛の重さが違うぜ……。


妹の書いたラノベの圧倒的面白さに引け目を感じつつ、涼花の影武者になることを了承した祐。
これでお兄ちゃんとまた一緒に過ごす時間が増える! なんて涼花が喜んだのも束の間、担当編集に同じ高校生作家、イラストレーターと、祐の周りには次々に美少女(そして巨乳)たちが集まってきたりするわけです。すごい! ラノベ作家ってなんて夢のある職業なんだろう!(キラキラした眼差し)
中でも先輩作家でありながら祐の(つまり涼花の)作品の大ファンだという暴走ストーカー少女・舞などは、かなり魅力的なヒロインだったと思います。
しかし、やっぱりそのさらに上を行くのが妹・涼花。取材にかこつけて兄をデートに連れ出すなんてなんとも可愛いじゃないですか。パンチラの概念を知るために兄の前であらゆるパンチラを披露するっていうのはぶっちゃけどうなんだと思いますけど! でもありがとうございます!
そんなお兄ちゃん愛には、もちろん祐は気付かない。それどころか、自分より先に作家になった妹に色々と思うところがある様子。
そのためなかなか素直に妹の小説を褒めることができずにいた祐ですが……。しかしどう繕おうと面白いものは面白いわけで、その気持ちを正直に伝えることはやっぱり大切なことです。涼花が誰よりも欲していた読み手は、他でもないお兄ちゃんただ一人なのですから。
さらに火が点いた涼花のお兄ちゃん愛が、次はどのように暴発してしまうのか楽しみで仕方ありません。続きも楽しみにしています。


イラストはぎん太郎さん。涼花の可愛さが存分に出ているイラストで素晴らしかったです。
体育座りパンチラってやっぱり王道ならではの良さがあるんだよな……。


ところで炎竜焔先生のラノベもぜひ読んでみたいんですけど。