まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

小説ガーリッシュナンバー1

小説 ガーリッシュ ナンバー (1)

小説 ガーリッシュ ナンバー (1)

ストーリー
夢と野心を胸に声優業界へ飛び込んだ女子大生・烏丸千歳。
兄・悟浄がマネージャーを務める事務所に入った千歳だったが、入ってくる仕事はモブばかり。
おかしな業界のアレコレに首を傾げながらも新人声優の道を歩んでいく千歳だったが……。



新人声優の妹と、マネージャーの兄! 売れない新人声優たちのあかるくたのしい日々を描く声優お仕事ストーリー。
新人声優(ダウナー系ぼっち)の妹と、マネージャー(社畜)の兄……夢のある職業をテーマにしても、渡航はやはり渡航だった……。
アニメの前日譚ということでまだ大きなドラマはないけれど、兄妹それぞれの視点からの渡先生らしいボヤき語りはやっぱり楽しくて満足です。


女子大生の主人公・千歳は、兄・悟浄がマネージャーとして働いている事務所に所属する新人声優(売れない)。
声優といえば、思春期のオタクにとっては憧れの職業みたいなところがあって、きらきら輝くスターダムを夢見がちだけれど、もちろん現実はそう甘くないのでした。
千歳はなんだかんだで恵まれている方らしく、名前のある役はもらえないまでも、モブ役としてレギュラーで呼ばれるくらいには売れている。でも、私は声優ですと胸を張れるくらいに売れているかというと、やっぱり売れてない。
実際の声優業界がどんなもんかは知りませんが、現場での気のつかい方や、金銭面のことなど、いちいち妙にリアリティがあってなんだか切なくなってきました。闇が深い……。


さて、そんな声優未満の新人声優・千歳ですが、正直めっちゃ可愛いです。
私は夢を追いかけてるの! という眩しい女の子じゃなくて、ただ粛々と今を見つめている感じが妙に好感。いや、新人声優としてはどうなんだと思いますけどね……。
声優に対して情熱的ではないわりに、養成所ではトップだったらしいし、与えられた仕事は意外なくらいさらっとこなしてしまうあたり、実はこの子天才タイプなのでは? その分扱いづらさは人一倍で、お兄ちゃんの苦労が偲ばれます。
そう、この兄妹関係もとってもいいですね。格別に仲良しを標榜しているわけではないんですが、同じ部屋でふたりで暮らしているわけだし、いやそれって相当仲が良いのでは? と外野からは思えてしまう絶妙な距離感がいい。
お仕事上、たまに喧嘩したりすると、どちらかからそっと歩み寄って仲直りしたりして、きゅんきゅんしちゃうぜ……。この妹可愛いよなやっぱ……。
千歳のために新たなお仕事を狙う悟浄。千歳は無事に名前のあるキャラクターをゲットすることができるのか! お仕事仲間の八重ちゃんも合わせて、今後の活躍に期待です。


イラストはQP:flapperさんとやむ茶さん。カラーもモノクロもどちらも魅力的で素晴らしいです。
八重ちゃんの胸囲測定最高でしょ……。


実際八重ちゃんは推せる。