まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

世界で2番目におもしろいライトノベル。

ストーリー
認知度海抜0mを自負する高校生の祭は、ある日“エンディング後の主人公”と名乗る4人と出会う。
非日常に飽き飽きした彼女たちは、平凡な日常を取り戻すため、“英雄係数”をもらってくれと祭に頼む。
最初は全力で断る祭だったが、“元魔法少女”の夏恋の危機を救うため、4人全員の英雄係数を引き受けてしまい……。



世界を救った英雄たちからトラブルの元たる「英雄係数」を引き受けてしまったド凡人が、カッコ悪いながらも「主人公」になっていくお話。
4人の英雄たちがみんな個性豊かで楽しいですね。もちろん夏恋がダントツで可愛いのですが、おバカでまっすぐな獅子王も結構好きです。
高まりすぎた英雄係数がどんなハチャメチャを引き起こしてくれるのか、今後の展開にも期待ですね。


周囲から全く気にされることのない、凡人中のド凡人・祭。
一般の人でも100前後はあるという、英雄になりやすい体質の度合いを表した数値・「英雄係数」が、彼には5しかないんだというんだから、笑えます。いや笑えないか……?
そんな主人公要素皆無の祭が、4人の英雄たちから、一気に1000を超える英雄係数を引き受けてしまったら!
チンピラ相手にラッキー(?)スケベをかましてしまったり、学校の購買が戦場と化したり、帰宅部の皇帝として二つ名がついてしまったり、右手が疼いたり(笑)と、主人公にありがちなイベントが山のように押し寄せてくるようになりました。
ライトノベルの中の英雄たちは、普段こんな、地味にキツい毎日を送っていたのですね……。すげー疲れそう……。


魔法少女・夏恋、元学園異能の覇者・獅子王、元異世界の救世主・チロル、元伝説の勇者・リーリャ。
祭に英雄係数を譲った4人は、トラブルの種がなくなったことで普通の生活が送れるようになって大喜び。
代わりに、獅子王は「悪友」として、チロルは「妹」として、リーリャは「担任」として、祭を主人公とした物語の役割を与えられ、その周囲を固めることになりました。
みんなわりとトボけた連中ではありますが、なんてったって世界を救ってきた英雄たちなわけですし、いざというときにはカッコよく決めてくれます。
そしてもちろん、主人公には「ヒロイン」がつきもの。いやあ夏恋は可愛いですね。辛辣なようで優しくて、元魔法少女で、痛ポエマーで、JKショッピングに憧れてて……。なんか、どこを見ても可愛くてずるいです。ちょっと幼稚なのがいいんだなあ。
祭と夏恋では、ハッキリ言ってまるで釣り合いが取れていませんが……。なぜか夏恋のことになると、ひねくれぼっちな祭もそれなりに主人公らしく頑張れていたんじゃないかなと思うので、これからに期待ということで。


イラストはH2SO4さん。前から好きなイラストレーターさんでしたが、絵柄がさらに好みの感じになってました!
特にモノクロイラストが素晴らしいですね。お気に入りは寝起きチロル。


気になるタイトルはラストで回収。