まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

はたらく魔王さま!7

はたらく魔王さま!7 (電撃文庫)

はたらく魔王さま!7 (電撃文庫)

ストーリー
漆原が恵美の鞄に仕掛けた発信機に4万円も使っていたことが判明。
家計の補填のため芦屋は真奥に暇乞いをし、しばらくの間出稼ぎに出ることに。
ところが芦屋の不在中、漆原が悪徳訪問販売業者に騙されてしまい……。



シリーズ初の短編集。収録されている短編は4本です。
バトルなどはなくて全部日常パート。もちろんむしろ日常パートこそが本番とさえいえる作品ですから、どのお話も楽しく読めました。
ちーちゃんと真奥の出会いを描いた書き下ろしは特に興味深い内容でしたね。


「魔王、誠実な商売を改めて決意する」は2巻の直後、たちの悪い訪問販売業者に真奥たちが立ち向かうお話。
常々漆原推しを表明している私ですが、今回の彼は正真正銘のダメっ子でしたね! そこがまたいいんだけどね!
真奥の追求をのらりくらりとかわす詐欺師のやり方にはむかつきましたが、恵美とちーちゃんのおかげですっきりしました。やっぱり魔王城には芦屋がいないとだめだ。
「魔王、捨て猫を拾う」はタイトルそのまま、真奥が捨て猫を拾って飼い主探しに奔走するお話。
猫に夢中になる鈴乃が可愛い。銀シャリってペットに付けるなら言うほど変な名前でもないような気がするんですが、そうでもないんですか。
しかし猫アレルギーの漆原をスルーして飼っちゃうのは、わりと素で悪魔だと思いました。アレルギーの辛さを知らないのか!
「魔王と勇者、お布団を買いに」は真奥と恵美がアラス・ラムスのための布団を買いに出かけるお話。
なんていうかあれですね、子はかすがいですね。完全にお子様連れの夫婦状態でした。ごちそうさまです。
もちろん恵美がそう安易にデレるわけはないんですけど、こうやって少しずつ外堀を埋められていったらいつの間にか……なんてことにならないかなって期待しています。
「はたらく女子高生 ―a few days ago―」はちーちゃんがマグロナルドではたらくようになったきっかけと、真奥との出会い、そして恋の芽生えを描いたお話。
普通に高校生やってるちーちゃんがなぜか新鮮すぎる。当初は普通の女子高生だったのにね……。
そして真奥は当時からできすぎるクルーだったようで。ほんと、真奥ならもう少し稼げる仕事にだって余裕で就けたでしょうに。今となってはもはや天職みたいですけどね。
ところで女の子2人に男の子1人という組み合わせには色々と妄想が膨らみますが、江村君はどっち狙いなんでしょうか! やっぱり幼なじみの方かな?


本編の方がだいぶファンタジー側に傾いてきているので、日常のお話にほっとしますね。
もちろん本編の方の展開も楽しみですが、こんな短編集もまた出てくれるといいな。


アラス・ラムス×猫。癒し天国か。