まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

はたらく魔王さま!8

はたらく魔王さま! (8) (電撃文庫)

はたらく魔王さま! (8) (電撃文庫)

ストーリー
母ライラの足跡を辿るため、エンテ・イスラの実家へ一時帰省する恵美。
一方魔王は、マグロナルドの新業態のため、原付免許の取得を目指していた。
ところが戻るはずの予定日を過ぎても恵美は帰ってこず、連絡も取れなくなってしまい……。



表紙を見て「アラス・ラムスが成長しちゃった!?」とショックを受けかけましたが新キャラでした。ほっ。
今回は恵美とアラス・ラムスがエンテ・イスラに帰ってしまったり、そのまま音信不通になってしまったりと、今までになく不穏な雰囲気が続きました。
日常パートもあまりなく、後半はほぼバトル。ストーリーも次巻に続く形で、大きく動き出したように思います。


真奥と鈴乃を一種信用して帰省していった恵美。遂に恵美の方も戦いばかりの考え方から脱するようになったのですね。本人としては無意識かもしれませんけど、好戦的すぎたあの頃を思い出すとやっぱりずいぶん変わったと思います。
ちーちゃんから言われてようやくそれに気付くのだから、真奥と鈴乃も今の状況によっぽど自然なものを感じているのでしょう。お互いに口ではいつか倒すと言っているけれど、どこまで本気なのやら。
恵美がいなくなって平然を装いつつも、動揺で試験に落ちてしまう真奥にきゅんとしました。「まま」と子が音信不通になったらそりゃ「ぱぱ」は心配しますよね。まったく素直じゃないな!


恵美の不在が今の真奥たちにとってどれだけ不安な状況なのか、実際に攻められて初めて分かりました。やはり勇者は偉大だった。
ちーちゃんが普通に悪魔とやりとりを交わしていて笑ってしまいます。ううむ、さすがはマグロナルド・バリスタ……。
漆原と鈴乃が活躍してくれたのは良かったですね。特に漆原のヒーローぶりはどうですか。みんなから駄天使扱いされていてもやるときはやってくれるのです。


新たな力も得て、さあここからが反撃。真奥と同じく素直になれない恵美も、本心ではきっと彼らの助けを求めています。真奥たちは無事にみなを助け出すことができるのでしょうか。
ゲートを開くということは、次巻は物語開始以来初めてエンテ・イスラが舞台になるのかもしれません。ちーちゃんはついていくのかな? だとしたら凄いけれど。
恵美の置かれている状況も気になりますが、それと同じくらい梨香のことも気がかりですね。芦屋との関係にも何か変化が出てくる、かも。続きが楽しみ。


最後の見開きイラストが素敵でした。