まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

喰-kuu-2

喰-kuu-2 (MF文庫J)

喰-kuu-2 (MF文庫J)

  • ストーリー

生徒会から目をつけられている『過食倶楽部』は、次の対外試合で勝たないと部室が取り上げられてしまう事態に陥っていた。
ところが頼りのみのりはテストで赤点のため、追試に合格しないと部活ができないという大ピンチ。
まずは部員たちでみのりに勉強を教えることになったのだが……。


大食いでは素晴らしい戦士、見た目はちっこくて可愛らしい少女、それなのに勉強が全然できないみのり。
やっぱりヒロインはどこか駄目な部分があった方が萌えると思うんですよね!
平然と「全部赤点です」って言っちゃうほわほわした天然っぷりにぐっときます。
言動もいちいち子犬みたいで可愛いんだよなあ。仙石先輩じゃなくても撫でまわしたくなるってもんです。
そんなみのりと2人っきりで勉強を教えるっていうんだからもう。ちくしょう、青春しやがって。
ハチがみのりを好きだということはもう伝わっているけれど、みのりの気持ちはハチには分からないわけで、この近いような遠いような、微妙な距離感がたまらない。
傍から見ればみのりがハチを気にしていることは明らかなんですけどね。
あの約束があるせいで逆に安易に近づけなくなっているっていうところに、じれったく思いつつも、ニヤニヤが止まりません。


みのりと真白の女の対決は緊張感たっぷり。
真白はどうしても嫌味な部分が前面に出てしまっているけれど、これもハチを想う気持ちの暴走なんですよね。
やっぱりまだ大食いを軽く見ている真白と、大食いに対して真摯な思いを持つみのりとの戦い。
その裏で、ハチをめぐる戦いという面もあるわけですが、全然気付かずに2人の間で焦るハチはおめでたいというかなんというか。
こうやって火花を散らし合う中で、少しずつ良きライバルとして仲良くなっていけたらいいなと思いますけど、それはまだまだ先のことになりそうです。


初の大食い団体戦に臨むハチたち。
二つ名・スキル持ち、店のメニュー、それに合わせた戦い方など、バラエティ豊かで楽しいですね。
特に対戦相手のリーダー・大網八雲の戦い方が際立っていました。
手段を選ばないのはいいですけど、ここまでくると流石に反則なんじゃ?
せっかく熱い戦いなのだから、きちんとスポーツマンシップにのっとって欲しいのだけれど、こんな戦い方も許されてしまうのか。この世界の大食い業界はまだまだ奥が深いようです。
それにしてもラギがあまりに不憫すぎて泣きたい。生きろ。


軽快なギャグが散りばめられていることもあって、今回も最後まで楽しく読めました。
ちょっと他作品ネタが多すぎるような気もしますけど、まあそれもそれで楽しいです。まさかレモンであれが出てくるとはね。
みのりや仙石先輩の姉など、まだ登場していないキャラも残っているし、ハチとみのりの微妙な関係も気になるところ。次巻もとても楽しみです。


ハンチング帽にスクール水着。え、なにこれ。新しい世界が垣間見えた気がする。