まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

魔法剣士のエクストラ5

ストーリー
統一予戦会『赤杯』ブロックを勝ち残って四臣戦の一枠に収まった新星魔導騎士団。
その最初の相手・教導銃騎士大隊との戦いにおいて、エリサは己の過去を知る因縁の相手と対峙することに。
一方零人は、戦いに積極的ではない特異な使徒座との邂逅を果たし……。



前回イルマが六芒星に上がったので、次は当然彼女の番だよね、ということでエリサ回。
「吸血鬼」との戦いの中で「魔女」だった頃の自身を見つめなおし、羽ばたいてゆくエリサの姿が見られました。
まあ、キャラを掘り下げて過去のあれこれに決着を付けてくれるのは結構なんですが、四臣戦のうちの一戦がほぼエリサだけの活躍の場になってしまったのはちょっともったいなかったかも。


専有魔法を手にして、あのリンデと真っ向勝負ができるくらいにまで成長を遂げたイルマ。
同期の仲間として、友人として、先に行った彼女を追いかけていく紗奈美とエリサ。
お互いに切磋琢磨しあいながら懸命に上へ行こうとする女の子たちの姿はとても良いものですが、エリサはずいぶんと焦った様子でした。
紗奈美はもともと才能の塊みたいな子ですからね。一緒に歩いていたら置いて行かれるというエリサの危惧も分からなくはないんですが、共に頑張ろうという誘いを断ってしまうのは、少し寂しいような気も。
しかし、エリサの新技は確かに熱かったですね! 今後大活躍してくれそうです。


エリサの過去を知る「吸血鬼」アルマ。
彼女との再会で記憶を掘り起こされ、塞ぎこんでしまうエリサの前に立ってみせたのは紗奈美でした。
みんながエリサへの接し方に悩んでいた中で、すっとこういう行動に出てしまえるあたりが、紗奈美の素敵なところだと思います。
紗奈美たちのおかげで、エリサもなんとか戦いの場へ立つことができた……わけですが、うーん、今回のバトルは地味でしたね。アルマの魔法の効果のせいですから仕方ないんですけど。
彼女たちの戦いの醍醐味はなんといっても連携力の高さによるチームプレーですから、エリサとアルマの単純な力比べみたいになってしまったのは残念でした。次に期待です。
さて、イルマ、エリサときて、残すところは紗奈美だけですね! なんだかんだでやっぱり一番好きなヒロインですから、彼女がどんな風に成長してくれるのか、今から楽しみでなりません。


サイラス氏、憎めないキャラだな……。