まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

召喚主は家出猫 (1)喚ばれてみれば最前線

ストーリー
サバイバル技術の習得に燃える高校生・翔馬は、ある日ファンタジー世界に召喚されてしまう。
彼を喚んだのは、二年前に失踪し、この世界で大魔法使いになっていた幼馴染みの瀬里奈だった。
サバイバルの知識と道具を使い、翔馬たちはなんとか窮地を抜け出すが……。



あらすじに惹かれて手に取りました。鷹見先生の作品は初めて読みましたが、面白かったです。
いわゆる異世界召喚ものなのだけれど、主人公だけじゃなくてヒロインも地球の少女だというところがユニークですね。
魔法の世界に地球のサバイバル技術や科学の知識を持ち込んで、機転とアイデアでピンチを乗り越えていくのが楽しい作品でした。


友達の妹というワードに秘められた魅力値は異常。
ということでメインヒロインは幼馴染みにして大魔法使いの瀬里奈さんです。可愛い。
命の危機に陥って緊急で召喚しちゃうのが、両親でも実の兄でもなくて幼馴染みのお兄ちゃんっていうところがもう可愛い。最初からベタ惚れじゃないですか。
あとあれね、小さい頃の約束。鉄板。鉄板ですよ。まだ詳しい内容は明かされていませんが、幼馴染みキャラがこれを出してきたら誰も勝てないというのはもはや世界の常識といってもいいでしょう。
ということで翔馬の方もとっとと察してですね。早いとこくっついちゃえばいいんじゃないですかね!


魔法が科学の代わりになっている世界で、人々が今までに考えつかなかった魔法の使い方を考案し、さらりと戦争に応用していく翔馬が色んな意味で怖い。そりゃまあ、直接殺傷するよりはずっと穏便な使い方だったかもしれませんけど、冷静に考えると結構エグいことしてますよねこれ。醸造魔法は特に酷いんじゃないかな……。
それから魔法の名称はもうちょっとどうにかならなかったのかな。恐らくギャグを狙ったんでしょうが、さすがに「シュラ・バー」はないんじゃないかと。せっかく気持ちよくファンタジー世界に浸っているのですから、わざわざ冷水を浴びせかけるようなことをしなくてもいいと思うのですが。


ともあれ、帝国の大軍を前に創意工夫で打ち勝っていく戦いはやはり楽しい。
しかし一難去ってまた一難、まだまだ続く危機に翔馬と瀬里奈はどう対処していくのでしょうか。
瀬里奈の本気の魔法も見てみたいですね。次あたり期待してもいいのでしょうか。楽しみです。


イラストは唯さん。ツヤツヤしたカラーページの塗りが目によく映えますね。
LEDに照らされたミルチのイラストとかインパクトがあって好きです。


マウンテンバイクって丈夫なんだな……。