まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典14』感想

ロクでなし魔術講師と禁忌教典14 (ファンタジア文庫)

ストーリー
リィエルの一件を乗り込え、ようやく訪れた平穏。女王陛下の尽力により数十年ぶりに開催されることになった魔術祭典に、アルザーノ帝国魔術学院、聖リリィ魔術女学院、クライトス魔術学院――アルザーノ帝国の各地から有力生徒たちが結集する。「世界の大舞台で魔術の腕を競い合ったお祖父様が見たという光景を、この眼で見たいんです!」その中には、もちろんシスティーナの姿もあり――。帝国代表の覇を競う中、因縁の少女・エレン=クライトスと再会することになるのだが……。選抜会に潜む卑劣な陰謀、そして失われゆく自分たちの未来を解放するため、システィーナは天高く飛翔する!

閉じた輪を解き放て
またしばらくラノベの感想から離れてしまっていましたが、そんな時いつも「あ、感想書かなきゃ」というきっかけになってくれるのがこの作品だったりします。それくらい好きなんです。
今回は5巻以来ではないかというくらいのシスティーナの大盤振る舞いで大満足の巻でした! 魔術戦の成長だけでなく、グレンの隣で彼を支えともに戦う者としての成長ぶりが素晴らしい。こんな風に無条件に信頼されたらグレン=朴念仁=オブジイヤーもうっかりクラッと来ちゃうのでは? クラッと来ちゃいなよユー。
ストーリーも、こういうこともしてくるんだな、という驚きの展開で良かったです。あと純粋に魔術祭典が楽しい!


世界的な魔術競技大会・魔術祭典の代表選出のため、アルザーノ帝国魔術学院に集結した有力魔術学院の生徒たち。
中でも一際異彩を放つ才能、クライトス校のレヴィン。しかしそんな彼に真っ向から立ち向かう才能の持ち主がアルザーノにもいた。もちろん我らがシスティーナである!
グレンやイヴから鍛えられ、今まで幾度もの危機を乗り越えてきた彼女。相対してきた敵のレベルが違いすぎて、一体彼女がどれだけ魔術師として成長しているのか微妙に分かっていなかったのだけれど、同年代の生徒の中で戦うとこんなにも違うのかと改めて驚き。
いつの間にやら疾風脚も完璧に使いこなせるようになっているし、この子は一体どこまで行ってしまうんだとワクワクしてしまいます。


そんな中、不自然な好成績を叩き出すシスティーナの幼馴染・エレンと、彼女の周囲でうごめく怪しげな陰謀。
いやあ、この作品でコレをやってくるとはね。セリカの魔術でも「は?」という感じなのに、古の魔術ときたら、もはや何でもありですね(笑)。
恐るべき真実に気付いているのはグレンだけ。誰かに助けを求めることも禁じられ、どんどん追い詰められていくグレン。
そんな彼の不調にいち早く気付き、何も説明されなくても無条件に彼を信頼し、その手を引っ張ってみせるシスティーナ。いやー、ヒロイン力が高まりすぎて他の追随を許さない勢いですわ。システィーナはその働きに比して何かと報われないことも多いので、今回ははっきりと彼女がメインヒロインを張ってくれていて嬉しかったです。
ラストバトルで彼女が披露した新魔術、ちょっととんでもない出来なのでは? これから魔術祭典の本戦も待ち受けているわけだし、さらなる活躍に期待爆盛りですわ……。
それから、新キャラクターの登場によってメインストーリーもまた大きく進みそうな予感。次巻も楽しみで仕方ありません。


できればウェンディも代表に選ばれてほしいな。カッシュはどっちでもいい(笑)。