まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『不死者と暗殺者のデスゲーム製作活動』感想

不死者と暗殺者のデスゲーム製作活動 (電撃文庫)

不死者と暗殺者のデスゲーム製作活動 (電撃文庫)

ストーリー
臥宮生斗は、三年前に結んだ『契約』の代償として何度も死のリセットを繰り返し不死身の身体を持つ、平凡な高校生。いつもと変わらぬ放課後、その子は突然現れた。
彩夢咲レオナです。わたしのために、死んでくれますか?」
両親を早くに亡くし、幼いながらも暗殺を生業とした一族の当主となったその少女は、先祖の代から続く『呪い』によって日常生活に支障が出るほどの殺人衝動に悩まされており「不死身」の生斗に依頼をしたらしいのだが――!? 『契約』によって数奇な運命を辿る二人の、殺し殺され合う禁断のデスゲームラブコメ

不死者の少年と殺人衝動に冒された少女が殺し殺されながらお互いを想いあうサスペンスラブストーリー。
死をリセットできる少年と他人を殺さなければ生きていけない少女、パズルのようにぴったりはまる男女の出会いは運命的で、殺伐としているけれどもロマンチック。
庇護欲をかきたてられるヒロイン像が良かったです。ただ、終盤の展開が急すぎたのはちょっと惜しい。


主人公の生斗は死がリセットされる不死身の身体を持つ少年。彼がある日謎のメイドさんに連れられて出会ったのは、暗殺者の家系の末裔として生まれ、他人を殺さなければ収まらない殺人衝動に悩まされている少女・レオナだった。
人を殺したくなどない心優しいレオナにとって、死んでも死なない生斗はまさに運命の相手。こういう、この相手しかありえないんだ! という理屈のもとにあるラブストーリーは、けっこう好きなんですよ。舞台は整っている、さあ後は恋に落ちるだけだ、って感じで。
まあ厳密に言うと、生斗にとっては別にレオナはそこまで運命的な相手ではないかもしれないけれど、そこはほら、一目惚れしちゃうくらいの美少女だからさ。不死身とはいえ男の子は男の子だからさ。美少女はいいよ。美少女なら大抵のことは許せちゃうよ。まあ僕はナイフで刺されたくはないですけど。
でも、毎日殺し殺される関係って妙に官能的じゃないですか。禁断の愛ってやつだ……。羨ましいかというと、そうでもないけども……痛そうだし。


不死者を殺すだけでは完全に抑えられなかった殺人衝動。レオナを救うために生斗が提案したのは館を舞台にしたデスゲーム製作だった。
デスゲームって密室に閉じ込められたメンバー間での頭脳バトル、ミスったら死、みたいなやつじゃなくて、不死者をいかに楽しんで殺すかっていうゲームのことかい!
ちょっと期待していたものとは違いますが、まあそれはそれとして。せっかく部外者の友人たちまで巻き込んで作ったゲームなのだから、仕掛けなどもう少し丁寧に見たかったというのが正直なところです。
レオナの心変わりもとあるキャラクターの正体も色々と突然すぎたし、終盤の駆け足感がもったいなかったですね。
思わず守ってあげたくなるレオナの可愛さと、彼女のために血まみれになりながらデスゲームをクリアしていく生斗の主人公ぶりはなかなか良かったです。これまで不自由に生きてきたレオナが、たくさんの幸せを手にしてくれることを願います。


イラストはしぐれういさん。カラーのレオナの表情、エロ可愛くて素晴らしいですな。
アイシャさんは一度メガネOFFが見たかった!


あらすじを読んで笑っちゃったんですけど、不死身の身体を持つ平凡な高校生ってなんやねん。