まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神』感想

ストーリー
冒険者パーティの荷物持ちにギルドの雑用……地道な仕事を進んでこなす“さえないおっさん”ことベテラン冒険者・バルは、帝都で気ままな庶民ライフを満喫している。「バルさん今日もお願いしますね!」「あぁ、僕でよければ」親しみやすく、ギルドの受付嬢や街の人々にも慕われるそのおっさん、実は――帝国が誇る《八神輝》の一角として、地上最強格の異能を振るうバルトロメウスその人。「それではバル様、参りましょう」バルだけには心を許すエルフ族の美女・ヴィルへミーナを従えて、政界に戦場に無双するその姿は――まさに“戦神”。スローライフ冒険者⇔地上最強戦力、そんなおっさんの英雄譚!

ベテランながら最下級冒険者としてコツコツ働く地味なおっさんの真の姿は、地上最強の異能を持つ帝国最大戦力! 表と裏の顔を使い分けるおっさんの無双ぶりが楽しいバトルファンジー
真の力を隠しながら「さえないおっさん」として生活するシチュエーション、すごく好みです。主人公にだけ絶対の信頼を寄せるエルフヒロインっていうのもいいですね!
ということで設定的にはかなり燃える内容なんですが、1巻の最後になるまで主人公の本当の戦いぶりが見られないので、正直出し惜しみされてる感が半端なかったです。そこはちともったいなかったなー。


ベテランにもかかわらず最低ランクの七級冒険者・バル。街の人々には愛されているけれども、いい年してちょっと「さえない」、そんなおっさん冒険者。しかし彼の本当の顔は帝国最強として名高い異能者・バルトロメウスその人だったのだ!
いいですよねー裏の顔を持つ主人公。好きなんですよね。普段さえないとされている男が、本当は誰もが知る最強の英雄って熱いじゃないですか!
帝国に8人いる最強戦力「八神輝」とか、皇帝にすらタメ口なのにバルにだけは尽くすエルフのヒロイン・ミーナとか、個人的に燃える設定がいっぱいで楽しい。


さえないおっさん・バルとしての顔も、決して悪いもんじゃありません。新人冒険者たちに舐められながらも、さりげない手助けで信頼を勝ち取っていく。うーんいい大人だ。冒険者たちや街の人たちに愛されるのもわかる。
一方バルトロメウスとして、八神輝として皇帝と円卓を囲み、帝国に迫る脅威への対応を話し合う彼。
うーん。何せ帝国最大戦力ですし、恐らく強いんだろうなということは分かるんですが、実際にその凄さを見せてくれるのがラストもラストなんで、いまいちどう凄いのか分からんというのがもったいないですね。せっかく二面性をネタにしているのに、さえない方の顔ばかりフィーチャーされてもなあ。
で、いざ戦いの場面になっても、その戦いぶりがめっちゃあっさりなんですわ。一瞬で倒したモンスターの数だけ書けばいいわけでもないというか……圧倒的な力を見せるなら見せるで、もう少しケレン味というものがあってほしいかなと思います。
物語が面白くなる要素はたっぷり秘めた作品だと思うので、今後の跳ね上がりに期待しています!


イラストは桑島黎音さん。おい、このさえないおっさんちょっと格好いいぞ(笑)。
他の八神輝のイラストも楽しみですね。


巻頭の八神輝メンバーリストいいわー。中二だわー。