まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ゼロの使い魔21 六千年の真実

ストーリー
『鉄血団結党』の追跡を逃れ、間一髪“竜の巣”を脱出した才人たち。
アリィー、ルクシャナと共に一路ハルケギニアを目指す才人の胸には、最後の使い魔“リーヴスラシル”のルーンが浮かんでいた。
一方、『オストラント』号で二人の救出に向かったルイズたちは、いよいよエルフの国の首都“アディール”へと乗り込むが……。



前巻の発売から5年。恋と魔法と冒険のファンタジーラブコメディ、作者の遺志を継いで奇跡の復活!
正直ですね、期待を超える1冊でした……文句なしに完璧な「続刊」です。この作品はまだ生きている、本当にそう感じました。
今はただ、言いたい。おかえりルイズ! 待ってたよ才人! ありがとう、帰ってきてくれてありがとう!!


もうですね、読む前から手が震えて、まともにページもめくれなかったんですが、いざ物語の扉を開いてみれば、そこはまさしく僕らの愛したハルケギニア
執筆者の先生の名前は明かされていないわけですけど……いや、これ本当に凄くないですか。ヤマグチ先生が書いたとしか思えないんですけど。魂、宿っちゃってる。
ルイズも才人も、もちろん他のキャラクターみんなもいきいきと輝いていて、もうなんかそれだけで、ぐっときちゃいました。良かった。また会えた。また会えたよ……。
才人とテファを救うために、ごく少人数でエルフの首都のタワーに突撃をかますルイズたち! キュルケもタバサもギーシュもマリコルヌも、もちろんコルベール先生も、格好良すぎるよ!
もちろん、先頭で戦う彼らだけじゃなく、船の中で健気に待つシエスタや、ここにきて株が急上昇中のエレオノール姉さまも素晴らしかったです。シエスタとルイズの、恋のライバルにして身分を超えた親友という関係が本当に大好きで、今回は、シエスタによる色ボケ妄想の講義が炸裂していて笑ってしまいました。このメイド相変わらず絶好調である。
あとエレオノール姉さまは、もうずっとマリコルヌと豚コントをやっていればいいと思います(笑)。


一方、テファとともに逃避行を続ける才人の胸には、いわくつきの“リーヴスラシル”のルーンが。
また全てが明かされたわけではないにせよ、やはりリーヴスラシルは、犠牲となる使い魔だったのですね……。同時にふたりの使い魔となってしまった才人に、どんな役割が、そして運命が待ち受けているのか、心配で仕方ありません。
エルフの街エウメネスを救うため、戦いへ赴く才人たち。そしてそんな才人とテファを救うために、キャラクター陣が次々と集結していく怒涛の展開!
旧き仇敵や、あの兄弟など、かつて敵だった人物たちとの共闘が最高に熱かったです。特に一番燃えたのは、やっぱりあの貴族と才人が背中合わせで戦ったことでしょう! イラストがあまりに格好良くて震えてしまいました……何この流し目、夢に出てきそう……。
そしてもちろん、最後に姿を見せてくれるのは、彼女しかいないわけですよ。長かった。あまりに長くかかってしまいましたが、ああ、やっと! やっと再会できました! この時をずっとずっと待ち続けていたのです……!
ルイズったら、そりゃもう最高に可愛いし、安定のイチャイチャっぷりと、もはや様式美となった風の妖精さんのお邪魔とで、すっかり満腹です。ごちそうさま。
最初にも書きましたが、大変に素晴らしい「続刊」でした。コルベール先生やタバサのエピソードなど、過去のお話に細かく言及していくのも嬉しかったし、何より“烈風”に触れてくれたのは最高でした。ファンのことを本当によく考えて作ってくれたんだなあと思います。
イラストも、当然ながら見事な出来栄えのものばかりで、格好良いのと可愛いのとで、毎回ゾクゾクしちゃいました。
ラストに大きな衝撃が待ち構えていたし、使い魔の運命のことを考えると不安でなりませんが……。泣いても笑っても次巻で完結。こんな奇跡の1冊を作り上げてくれた以上、もはや欠片も心配などありません。最後までルイズと才人とともに走り抜けてもらいたいと思います。


コルベール先生はやっぱりスクウェアだったのか!