まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

魔剣の軍師と虹の兵団II

ストーリー
ティタニアでの奇跡的な勝利により、一躍その名を轟かせた新生トレント王国。
順調に勢力を拡大する彼らを阻止すべく、強国ロンバルディアは名うての将軍たちを送り込む。
神槍の使い手ダンテ将軍率いるロンバルディア最強の黒狼兵団までもが、トレント討伐に動き出してきて……。



Twitterでオススメしていただいて2巻まで一気に読みました。欲望満開の変態英雄たちが滅亡寸前の弱国を率いて戦うコメディファンタジー戦記!
これは面白かった! 戦記ものでありながらこれだけギャグをやってくれるのは珍しいように思います。
1人1人が残念な変人なんだけれども、いざ戦になるとめちゃくちゃ頼りになる英雄へと早変わりするキャラクター達がみんな魅力的でした。


ティタニアでの戦いに辛くも勝利したジュリオたちは、あっという間に領土を拡大。いよいよ本気を出してきたロンバルディア軍と一大決戦を繰り広げることに。
ひとつひとつが負けられない戦いで、思いっきりシリアスになってもおかしくないところなのですが、如何せん上にいるメンバーが軒並みオカシイので基本明るく楽しい雰囲気でした。まあ国家のトップがこれだと思うと(アカン)って感じですが……。
特に癒やしだったのはルーナですね! ついクラッときちゃうのも納得の可愛さである、が、そこの義父さんはちょっと自重してください。
個人的に好きなのはロスヴァイセでしょうか。どこまでも自己顕示欲を満たすために戦う彼女は誰よりも分かりやすくて……言葉を変えると誰よりもチョロくて、そんなアホの子っぷりがいとおしいです。
そして新キャラとして登場してきた悪名高い“吸血鬼”エスメラルダ。薄々そう来るんじゃないかとは思っていましたが……やっぱりアンタもかい。ああ、どんどん変態が増えてくよう……。


こうも瞬発力のある変態どもが中枢に揃ってしまった新生トレント王国ですが、戦いとなるとみんな格好良いからずるい。
黒狼兵団との戦は過去最大規模の正面衝突になり、トリスタンやロスヴァイセやエスメラルダ、そしてもちろんジュリオとランの活躍が光りましたね。
ダンテ将軍も、敵将ながら気持ちのいい男で、部下とのやりとりにその人柄がよく出ていました。また強かった。戦わずに済めばそれ以上のことはなかったのに。
彼という最大の障壁を打ち倒したことで、ジュリオたちの目標はもうすぐ近くまで迫っているような気がします。
最後に姿を消した彼女のこととか、魔剣ルーナのこととか、いくつか謎は残っているものの、どこまでお話が続いてくれるのやら。ただ変態たちの会話を見ているだけでも楽しいので、もっともっと続いてほしいところです。次巻も楽しみにしています。


イラストはおりょうさん。女の子の可愛さもさることながら、ギャグシーンでのデフォルメが良かったです。
キャラデザではクリスティーナが好きなので今後も登場してほしいところ。


聖女ラン様も順調に壊れてきているな……なんか逆に安心するわ……。