まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

2014年ライトノベル新作ベスト10

今年もまたこの記事を書く時期がやってきました。
2014年に刊行された「新作」ライトノベルの中から私が特に面白いと思った10作品を紹介します。順番は刊行順。
ちなみに去年のものはこちら→2013年マイベスト新作ライトノベル10作 - まだまだペンキぬりたて


『魔法剣士のエクストラ』(若桜拓海/HJ文庫

最強の教官による魔術指南
才能を持ちながらも伸び悩む女の子3人を、最強の魔導士である主人公が教え導く物語。
戦略と工夫で格上の魔導士相手に打ち勝っていく教え子たち!
そして何より、終盤になって真の力を魅せる主人公。その圧倒的な強さに胸が震える激アツストーリーでした。



魔装学園H×H』(久慈マサムネ角川スニーカー文庫

魔装学園H×H (角川スニーカー文庫)

魔装学園H×H (角川スニーカー文庫)

エロ×メカ×バトル×おっぱい
異世界からやってくる敵を倒すために女の子にえっちなことをしろ(ミッション)。ミッションなら仕方ない。仕方ないな。
設定といいネーミングセンスといい、とにかく素晴らしく頭の悪いメカアクションでした。Hisasiさんのイラストがこれ以上なく光っています!
エロ方面だけでなく、空中バトルも迫力があってしっかりしているので二重にオススメ。



『王手桂香取り!』(青葉優一/電撃文庫

王手桂香取り! (電撃文庫)

王手桂香取り! (電撃文庫)

正統派青春将棋ストーリー
これぞ私たちがずっと待ち続けた将棋ライトノベルだ! 憧れの先輩と並び立てるように、将棋の神様たちの力を借りて頑張る男子中学生のお話。
ややもすると地味になってしまいそうな将棋の対局シーンですが、本作では加速する主人公の思考によって非常にスピーディーに楽しませてくれています。
特訓によってぐんぐん成長していく主人公の姿も素敵。



『転醒のKAFKA使い』(比嘉智康ファミ通文庫

生まれ変わっても、君を守る
ライトノベル作家としてデビューしている主人公が、ある日前世の力を取り戻して戦う転生異能バトル。
創作の苦悩やら、前世の記憶やら、ダブルヒロインやら、色んなものがごった煮になっていて、たいへんな物量感・満足感のあるお話に仕上がっています。
真のヒロインとの時空を超える再会、そして恋愛にはちょっと感動。このヒロインがまた実に可愛いのだ!



『蒼井葉留の正しい日本語』(竹岡葉月富士見ファンタジア文庫

辞書オタク少女のちょっとおかしな日々
日本語を愛し、いくつもの辞書を愛読してやまない変人、だけど2014年きっての名ヒロイン・蒼井葉留。
他の誰ともズレまくった感性で、周りで起こるちょっとした事件を解決に導く彼女。
ぽえぽえした顔でプリンについて考える葉留に惚れ込みました。もうほんと超かわいいです。



東池袋ストレイキャッツ』(杉井光電撃文庫

路上に生きるミュージシャンのほろ苦い日常
我らが杉井先生は今年もやってくれました。杉井光の音楽モノはやはり鉄板ですな。
池袋の路上に集うアマチュアパフォーマーたち……世間から取り残された彼らが奏でる、どこか切ない旋律にいつの間にか酔わされている、そんな1冊。
なぜか路上に顔を出すのだけれど実はトッププロミュージシャンというヒロイン・ミウがたいへんに可愛いです。眼鏡ヒロインですよ眼鏡ヒロイン!



ロクでなし魔術講師と禁忌教典』(羊太郎/富士見ファンタジア文庫

クズ主人公が秘めた才能
働かずにずっと家で寝て暮らしたい、そんなやる気も根気もないダメダメ主人公が、魔術学校の講師になるお話。
周りのみんなに呆れられていた彼ですが、たまたまやる気を出した途端にその才能が明らかに。
「能ある鷹は爪を隠す」の気持ちよさを存分に味わえる楽しいシリーズです。



『モブ恋』(志村一矢電撃文庫

モブな女の子が恋に挑戦
「ギャルゲー主人公の友達」な主人公と、「モブキャラ」なヒロインが、叶わない片思いを成就させるために奮闘するストーリー。
「物語」における「主人公」でも「ヒロイン」でもない立場というのが、こんなにもしんどくて切なくて悔しいものなのかと胸が痛くなります。
モブ子は本当に健気で可愛くって応援せずにはいられない素晴らしいヒロインです。恋をする女の子は可愛い。



『親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。』(野村美月ダッシュエックス文庫

ひとめぼれの君はあいつの彼女
主人公とその親友と、そして親友の彼女との三角関係を描いた、大傑作単巻青春ライトノベル
もう第1章から胸がきゅーっと痛くて、でもその中で確かに感じられる恋の拍動がむず痒くて、ページをめくる手が止まらなくて、はあ、もうため息しか出ない。
野村美月先生……やってくれるぜ……。ほんと最高だよ!!



『ひとりで生きるもん! 〜粋がるぼっちと高嶺の花〜』(暁雪/MF文庫J

美少女から漫才コンビに誘われて
美少女=性悪だと信じ込んでいる主人公が、学園一の美少女から文化祭の漫才の相方として選ばれてしまう学園ラブコメ
漫才ものだけあってギャグも会話もテンポよく、中盤以降のドラマの組み立ても見事で、非常に完成度の高い1巻でした。
これぞ私の好きな「ラブコメディ」です!



以上10作品でした。
今年はブログ更新が2ヶ月ほど滞ってしまったのですが、実は読んだ冊数自体は311冊と過去最高記録(たぶん300冊超えも初)でした。上記の10作品の中にも入っているように、新人賞を多めに読めて良かったです。魔法科高校の劣等生』『RAIL WARS!』『異能バトルは日常系のなかでといったアニメ化作品を一気読みしたり、いつかは読みたいと思っていたフルメタル・パニック!にも手を出すことができて、そこそこ充実していたかなと思います。
個人的に今年印象深かったのは野村美月先生の活躍ですね。『親友の彼女を〜』の他にも、『ヒカル』シリーズの完結や、『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる』シリーズの開始、読み切り作品の刊行などなど、毎月のように楽しませてもらいました。特に『陸と千星 〜世界を配る少年と別荘の少女』は、『親友の彼女を〜』と甲乙つけがたい傑作青春ものでした。ベスト10にどちらを入れるべきか悩みすぎて頭痛がしました。
また神様のメモ帳が3年ぶりに刊行され、無事に完結を迎えたことも大きなニュースでした。あいにく感想記事は書けていませんが、私はこの作品が本当に大好きです。アリスが大好きです。ありがとう。

ではみなさまよいお年を。
来年も面白いライトノベルに出会えますように。