まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11)

ストーリー
引っ越し祝いパーティの場で交わされた“約束”を果たすため、田村家を訪れた京介と桐乃。
3人での話し合いは、やがてそれぞれの過去話になっていく。
珍しく素直に自分のことを話す桐乃から、兄妹冷戦の理由が遂に明かされて……。



アニメも始まったし、最終巻の予定も出たし、今のうちに追いついておこうと思って読みました。
毎回読む前はなぜか気が重くて、「自分が読まなくてもみんな読んでるし、前の巻の内容も覚えてないし、別にいいかな」と思ってしまう作品なのですが、いざ読んでみるとばっちり安定感のある面白さだったりするので、なんか悔しいです。
今回はシリーズでも最重要と言ってもいい、過去のエピソードを中心とした巻でした。ドの付くブラコン(どれだけ本人が否定しようとも明らかに)な桐乃が、なぜ京介を無視するようになったのか。そのいきさつが語られます。
物語当初からどうも好きになれなかった京介の態度にも実は理由があることが分かって、色々とすっきりしましたね。


桐乃が陸上や勉強を頑張るようになったきっかけ、可愛すぎて鼻血出る。もう桐乃でいいじゃない。ねえ?
ずいぶん今とはキャラの違う「三年前」までの京介には意表を突かれつつも、今の京介の人助け癖とも呼べるお節介ぶりは昔からつちかわれてきたものだったんだと納得。
当時の京介の方が“主人公”っぽいような気もしますが、まあいささか突き抜けすぎているので今くらいのがちょうどいいのかもしれません。
櫻井はおいしいキャラでしたね。たぶん今回限りのゲストキャラなのでしょうが、それがもったいないくらい。これ以上ヒロインが増えたらそれはそれで困りますけれども。


麻奈実が完全にラブコメの敵と化していました。怖っ。
「三年前」の麻奈実もえぐかったし、「今」の麻奈実も同じくらいえぐいと思います。誰が無害な幼なじみだって? 過去最凶の刺客じゃないか……!
そんな麻奈実に対しても地味にいい仕事してたのが加奈子ですね。加奈子は他のヒロインと違って京介からちょうどよく離れているぶん、予想外のはたらきを見せてくれることが多くて好きです。
しかし今さらながら京介はモテますね! 黒猫とあやせから同時に惚れられるってそれ、前世でどんな徳を積んだんだよ。ラブコメ体質の主人公は好きなはずなのになぜか京介がモテるとイライラしてしまう私ですが、ここまできたのならちゃんと決着をつけてもらいたいものです。次で最終巻ですしね。
純粋な可愛さでいったら黒猫あやせの二強だと思うんですが、やっぱり応援したいのは桐乃。桐乃頑張れ。ほんと頑張れ。


まさかのイラスト芸……はいいけれど、このネタいつまで通用するんでしょうね。