まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件3

ストーリー
アニスの“シャール”への想いを、“グリンダ”の姿で聞いてしまったシャール。
思わぬ告白に戸惑い、授業中も妄想にふけって双子姫から指摘される始末。
そんな中、密室盗難事件の犯人としてアニスが濡れ衣を着せられてしまい……。



最高でした。何がってもちろん聖羅が。もうね。最高。全編通して最高に可愛かったです。
いやあ、1巻の時点で既に大好きだったんですが、2巻のあれがあったおかげで、もうどうしようもないくらいに好きになっていたみたいです。
普通にページをめくっていて、ただ文中に「聖羅」という文字が出てきただけなのに、それだけでもう手汗びっしょりで動悸が激しくて、まともに読めませんでした。あまりに可愛すぎるヒロインは読書さえも邪魔してくるのですね。
もうここまできたらロリがどうとか関係ないんじゃないかな。いや、もしかしたら父性的なものもあるのかな。あるのかも。どちらにせよ、私の中にあるこの、大切にしたいとか、守りたいとか、抱きしめたいとかいう気持ちに名前をつけるのならば「愛」だと思うのです。聖羅愛してる。


我ながらなかなかに気持ちわるい独白でしたが、それはさておき。今巻に収録されているのは第六話〜第八話の本編3本と、番外編3本です。
本編の中心はもちろんシャールと聖羅のふたり。そして今回はそこにアニスとグリンダが大きく関わってきます。
アニスは前回ラストでの告白があって、いよいよ本格的にシャール争奪戦の筆頭に躍り出てきた感じですね。
竜樹王子やギルマーからもさんざんモテまくっているシャールですが、当然ながらアニスは彼らとは次元の違う「強敵」。第六話では、聖羅のアニスへの焼きもちや対抗心が分かりやすく表に出てきていて、ニヤニヤしまくりでした。
シャールも満更でもない……どころか、もし家庭教師のことがなかったら速攻付き合っちゃってるんじゃないのってくらいにクラクラ来ていることを考えると聖羅にとっては相当なピンチ。でもハールーン皇子のときもそうだったように、聖羅はある程度追い詰められてから本気を出すタイプですから、聖羅を応援している読者としては、ライバル登場はむしろ歓迎すべきことなのかもしれません。
そんな聖羅の本気の一端が垣間見えるのが第八話。子どもならではの悩みと誤解に胸を痛めながらも、必死でシャールの近くにいようとする聖羅がいとおしすぎて、どうにかなってしまいそう。
遂にシャールをドキドキさせたのは大きな進歩ですね! 少しでもシャールの中に、聖羅を女の子として見る気持ちが芽生えてくれていたら……と思います。


ストーリー上で重要なエピソードとなるかもしれないのが第七話でした。グリンダの存在が、シャールの中でどれだけ大きいのかということが改めて分かります。
まさかの登場には驚きましたが、出てきただけで、彼女についてはまだまだ謎だらけ。いつかその本心が明かされるときが来るのでしょうか。
サブキャラ陣について描かれた番外編は、竜樹王子とギルマーの似たもの同士な日記にくすりとさせられたり、織絵姫が見せた泣き顔にきゅんとさせられたりと、いつも通りの楽しさでした。
特に織絵姫の出番は嬉しかったです。これで、お兄ちゃんっ子・更紗と、実は淋しがりやな織絵というキャラ分けができました。双子姫を双子というだけで終わらせずに、それぞれにきちんと特徴づけをしてくれるあたり、ひとりひとりのキャラを大事にしているのだなと思います。
最後の予告掌編では、竜樹王子とギルマーになにやら波乱の予感が。ますます混乱していく恋愛模様から目が離せませんね。
あとがきでシリーズ打ち切りの場合についてのお話なんかもあって心底ゾッとしました。とても好きなシリーズですから、次巻も出てくれるようで本当にホッとしています。
いっそ聖羅が17歳になるまでずっと続いてほしいので、今後は一層力を込めて応援していこうと思います。続きが楽しみ!!


王妃様の人生が波瀾万丈すぎる……。