まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

黒鋼の魔紋修復士2

黒鋼の魔紋修復士2 (ファミ通文庫)

黒鋼の魔紋修復士2 (ファミ通文庫)

ストーリー
最低最悪の相性ながら、何とか初任務を成功させたヴァレリアとディー。
その一件から浮かび上がった“魔紋”を消す力の手がかりを求め、今度は隣国ビラノバへと派遣されることに。
さらにヴァレリアたちに加え、もう一人の“神巫”カリンも同行することとなり……。



表紙通りのカリン・ルドベック猊下のターンでした。
1巻のときから気になっていたキャラだったので、早速の活躍は嬉しい限りですね。
クールビューティーな外見に違わず、思慮深くて仕事のできる女ぶりを見せつけてくれました。
冷たいようでいて意外と情に厚い一面なんかも垣間見えて、今回でだいぶ株を上げてきたなあと感じます。ああ、ディミタールとのコンビもなかなか様になっていましたね。
さて、一方の我らがヴァレリアですが、彼女は相変わらずの調子で、任務の下調べはしないわ、何も考えずに行動するわ、それを指摘されて言い訳に走るわと、正直主人公としてどうなのという具合。
いやあ、前巻からずっと思っていたのですが、どうもヴァレリアの扱いがもったいなさすぎるんですよね。
たとえ失敗だらけであっても、最終的にそれを補うだけの活躍ができればいいのに、結局おいしいところはディミタールが持っていくし、かといって恋愛方面ではどうかといえば、ただ小うるさくて面倒くさい女の子になってしまっています。
彼女の才能ならもっとずっと格好良くなれるし、もっとずっと可愛くなれると思うんですけれど。ヴァレリアのことを第一に応援している身としては、読んでいてついムカムカしてきてしまうんですよねえ。ほんと、10年に1人の才能とやらは、いつになったら発揮されてくれるのでしょうか……。


次第に話のスケールが大きくなってきました。
人と人との戦いだけでなく、国と国の間でのあれこれが今後は増えてくるのだろうと思います。
その中心となってくるのはやはり皇太子なんでしょうが、彼もなかなか本性を見せてくれないもので、今回もそれほど目立ってはいませんでした。傑物なのだろうということは、なんとなく伝わってはくるんですけれども。
ルキウスや封印騎士団と合わせて、いつその本領を発揮してくれるものか、ヴァレリアと並んで楽しみなキャラですね。
あとは、そう、オルヴィエトあたりも何かやってくれそうな雰囲気はあるんですけどねえ。彼女もちょこちょこしか出てきてくれませんよね。
とはいえ、比較的出番の多いベッチーナやペトラでさえ大して活躍している印象はないんですが。ディミタールばかりではなくて、もっと色んなキャラを色んな風に動かしてくれると楽しいのに。まあ、そもそもキャラの数が多いので、限界もあるのでしょうけれど。
次巻では新しい神巫なども登場するということですが、その神巫に負けないよう、ヴァレリアが頑張ってくれるといいなと思います。


鳥を落とすルキウス様イケメンすぎ惚れる。でもたぶんドヤ顔。