まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

黒のストライカ3

黒のストライカ 3 (MF文庫J)

黒のストライカ 3 (MF文庫J)

ストーリー
かつて父と共に滅ぼした吸血鬼一族の生き残りである鷺志摩有理に狙われ、姿を隠す麗。
心配するしはるのため、椋郎たちは麗を捜すことに。
その最中、翠子は鷺志摩と遭遇してしまい……。



遂に翠子さんのターンがやってきてしまいました。
元々ヒロインの中でも破格の存在感を誇っていただけに、こうやってメインを張ると、あたかももうひとりの主人公であるかのように目立ちまくり。
いやしかし、翠子は本当に魅力溢れるキャラだと思うのですよ。
まず第一に従順。そしてエロい(重要)。おまけにド変態(超重要)。
今までもところどころにその変態性がにじみ出ていましたけど、今回はそりゃあもうひどいもんです。いいぞもっとやれ。
やることなすこと全てエロく見える。よく耐えられるなあ、椋郎。
吸血鬼としてバトルでも素晴らしい成長を見せてくれ、もはや向かうところ敵なしという感さえ漂っています。勝てる気がしない。


現状、翠子の対抗馬になりえるのはシャーリーくらいでしょうか。
持ち前の押しの強さや椋郎との同居というアドバンテージのおかげでサービスシーンに事欠かないのが大きい。
冷たいようでいて実は椋郎を深く理解している描写もあって、単純にヒロインとしても二重丸。
こうなってくると、いよいよ微妙になってくるのがしはるの立ち位置ですね。
一応メインヒロインだと思うのですが、活躍という面で翠子とシャーリーに大きく水を開けられています。
設定上、どうあがいてもしはるはバトルに参加できないし、そもそも椋郎の裏の顔を知らない時点で大変なハンデ。
椋郎の気持ちがしはるにあることが最後の救いだけれど、こう何度も揺さぶりをかけられていれば、いくら一途な椋郎でもころっと間違いをおかしかねないしなあ。
唯一の日常側ヒロインとして、しはるにはまだまだ頑張ってもらいたいところなんですけどね。


上でも少し書きましたが、バトルシーンが楽しかったです。
いかにもかませ犬風で、椋郎からすれば簡単に倒せてしまうような敵だったせいか、適度に緊張感が抜けてわりと安心して見ていられました。
ワンパターンに毎回死にそうになるよりも、時々これくらいの息抜きがあった方が変化があっていいと思うんですよね。
ユニークな敵や会話に目を向ける余裕があるし、一方で麗や翠子からすれば本気の戦いでもあるし。
生き様を貫こうとする麗、吸血鬼として戦うことを決意する翠子、そして頑張るふたりを見守る椋郎、という構図が好きです。
改めて上に立つ者としての椋郎の格好良さが見えたような気がします。


あのキャラが再び登場、そして続く。次回は彼女との戦いになるのかな。
椋郎との過去の因縁、敵に回った理由などの謎はいつ明かされるのか。
そしてヒロインたちは、今度はどのように椋郎を追い詰めていくのでしょうか。楽しみです。


地味に、一番可愛いのはエミリーだったような気も。