まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

あとがき

あとがきが好きです。
先に読む派とか、読まない派とかもいるらしいけれど、私は普通に、本文を読み終わってからの締めとして読んでいます。
あとがきって、読者が物語の世界から現実へ戻ってくるための架け橋だと思うんですよ。
あとがきというのは作者のことばです。この物語を作った者の存在が、あとがきから感じられるわけです。
この物語はあくまで、この作者によって作られた物語であって、現実ではないのだと確認することができます。
もちろんあとがきがないからといって物語と現実を履き違えたりはしませんが、私はどうも物語にのめりこみがちなところがあるので、こうやって引っ張り上げてくれるとほっとするんですよね。ちゃんと自分の居場所を確かめることで安心しているのだと思います。
あとがきがない作品は、読み終わってしばらくの間、なんとなく落ち着かないんですね。
物語のことで頭がいっぱいになってしまって(それは必ずしも悪いことではないけれど)、続けて他の物語を読むとか、そんな気分にもなれません。


あとがき代わりにショートストーリーが乗っている作品や、物語のキャラクター同士の会話であとがきとしている作品もありますね。
そんな場合、あとがきがまるっきりないよりはずっとましだけれど、どこかしっくりとこないことも多いような気がします。おまけ要素としてはとても楽しいし、こういうサービス精神は大好きなんですけどね。
やっぱり個人的には、あとがきは作者のことばであってほしいなあと思います。
たとえ数行であっても、好きな物語の作者が、その物語について述べているのが、とても嬉しいのです。