まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

生徒会の木陰 碧陽学園生徒会黙示録5

生徒会の木陰 碧陽学園生徒会黙示録5

生徒会の木陰 碧陽学園生徒会黙示録5

  • ストーリー

生徒会もバイトも休みになり、急遽放課後が空いてしまった杉崎。
それを聞きつけた巡は、自分の一日マネージャーとして働くよう杉崎に要請する。
最近の宇宙兄弟の様子を変に思っていた杉崎は、その原因を探ろうと、巡の誘いに乗ることにするが……。


本編以上にストーリーを進めることで定評のある外伝第5弾。
もう、「議事録」と「黙示録」どちらが本編なのかよく分からなくなってました。どっちにせよ面白いのでいいんですけど。
基本的に生徒会メンバーだけで回していく議事録に比べ、キャラや舞台が自由な分、黙示録の方で話の幅が広がるのは必然なのかもしれませんね。
生徒会メンバーと同じくらいに宇宙姉弟が好きな私としては、外伝というより、もうひとつの本編として楽しんでいます。
あとぶっちゃけた話、議事録のシリアスよりも黙示録のシリアスの方がずっと好きだったり。


相変わらず会話ギャグが冴え渡っていましたが、特に良かったのは会長と真冬ちゃんのお買い物のお話。
まず登場人物がこのふたりという時点でもう、個人的に花丸をあげたい。素晴らしいチョイスだ。
で、その会話ですけど、ボケボケで暴走を繰り返す会長と真冬ちゃんのちょっとまわりくどめなツッコミが予想以上に好相性。
普段はボケの印象が強いからあまり目立っていなかったけれど、真冬ちゃんも意外とツッコミセンスがありますね。これなら十分杉崎の代行ができる。
普通に声を上げて笑ってしまいました。読み終えると気分がスカッとしてるんですよね。
飽きずに笑い続けることのできるギャグ作品は貴重です。やっぱり好きだな。
最後で無理やり良い話に持っていかなくても、とは思うけれど。
イラストでも盛大にふきだしてしまいました。くりむ……恐ろしい子


一年C組の一同が休日の真冬ちゃんを尾行するお話は、ドタバタで楽しかったです。
いやあ、こうやって遠くから見てみると本当に真冬ちゃんは天使ですね! そりゃあ尾行もしたくなるよね!
新しいゲームを手に入れて小さく笑う真冬ちゃんとかもう、イラストも含めて可愛すぎて大いに悶えました。
それにしてもC組メンバーの練度が半端じゃない。まさに姫の守護者という感じです。
やってることは半分犯罪じみているのだけれど、あくまで自分たちの存在を気取らせずに真冬ちゃんのために働く彼らの姿は、妙に健気に見えました。
終わり方も素敵。やっぱり真冬ちゃんは本当の天使だったんだよ! そうでしょ?


締めは、杉崎が巡のマネージャーとして働くお話。
杉崎と深夏と宇宙姉弟、そして中目黒といういつものメンバーの関係が、ここで遂に動きを見せました。
鈍感にすぎる杉崎を相手に、よく頑張ったと思います。この結果がどうなるかはまだ分かりませんが、想いはしっかりと伝わったことでしょう。
守も頑張ったんですけどねえ。もしかして深夏は杉崎以上の……?
そして最後に中目黒。無害そうに見えてどこまでもくせ者でしたね。
続きがとても気になります。次に出るのも黙示録らしいので、楽しみに待ちたいと思います。


カバー裏掌編で新キャラを出すセンスは凄い。