まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

僕と彼女のゲーム戦争

僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)

僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)

  • ストーリー

数年前まで女子校だった高校に転入した少年、岸嶺健吾。
人づきあいの苦手な彼は、唯一の趣味である読書に没頭し、静かに暮らしていた。
ある日、無理やり連れ込まれた部活で、初めてゲームを触ってみる健吾だったが……。


表紙のファミコンコントローラーに惹かれて手に取ってみました。
よく見たら後ろの方にもスーパーマリオブラザーズらしきパッケージとか、うーん、あとは分からないけれど。
タイトルや表紙で分かる通りゲームのお話ということで、本文中にゲームがたくさん登場してきます。
今回主人公たちがやっていたのは、アンチャーテッドスペランカーギアーズオブウォー
私がゲーム事情に疎いせいもあって、スペランカー以外は名前さえ知りませんでしたけど、全部実在するゲームのようですね。
読んでからそれぞれのゲームの動画を見てみたのですが、ほんとに本文の内容そのままで面白かったです。
実際にこれらのゲームをプレイしたことがある人ならもっともっと楽しめるんだろうなと思いました。


主人公の健吾は、本を読んでいるとあたかも自分が主人公になったように錯覚し、意識が完全に本に取り込まれてしまうという変わった癖のある少年。
正直羨ましい。これだけ本にのめり込めるなら、そりゃあ読書もはかどるってもんでしょう。いやまあ不便だけど。
周りがゲームばかりしている中でひとり、本をずっと愛してきたという時点でなんとなく親近感。
ゲームを食わず嫌いする気持ちも凄くよく分かります。そりゃあゲームも悪くはないけど、本が好きなんだからしょうがないよなあ!
ただ、そんな風に周りから距離を置いて孤独に生きていた健吾が、しのぶと出会ってゲームに触れて、新しい生き方を見つけることができたのは良かったと思います。
一匹狼を気取るのもいいけれど、一緒にやるからこそ楽しいことだってたくさんあるもんね。


メインヒロインは多分しのぶでしょうが、個人的には佐奈恵に期待したいところ。
まだ登場場面は少ないけれどおどおどした小動物的な可愛らしさがあります。毎回クリボーでやられるのはどうかと思いますが。
後輩の女の子というものはいいものですね。丁寧語が素晴らしいんですよ丁寧語が。
部顧問の瀬名先生はいいドタバタギャグ要員でした。台詞に「!」が多すぎて小うるさいですけど。


まだまだ物語は始まったばかり。登場してきただけで掘り下げられていないキャラクターがたくさんいます。
最初に出てきた幼なじみのみやびちゃんや、いつも図書館にいる女の子(もしかして……?)、《宵闇の魔術師》に《悪戯好きな小妖精》など、気になる人物だらけ。
ゲームだけでなく、キャラたちの人間関係にも注目していきたいですね。


イラストは八宝備仁さん。艶っぽさ溢れる絵柄に惚れぼれ。アングルも好みです。
モブの男子のイラストもあったのですが、主人公だけえらくイケメンでしたね……。


作中に登場したゲームをやってみたいけれど機会がありません。
次こそ64が出てきてくれると信じてる。