まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

はたらく魔王さま!2

はたらく魔王さま!〈2〉 (電撃文庫)

はたらく魔王さま!〈2〉 (電撃文庫)

  • ストーリー

店長代理に昇進することになり、ますます張り切る魔王。
そんなある日、魔王城の隣の部屋に、謎めいた和装の女の子・鎌月鈴乃が引っ越してくる。
恋する女子高生・千穂や、魔王の命を狙う勇者は、いろんな意味で心穏やかではいられなくて……。


いきなりホルモン焼に大喜びする魔王サタン。このスケールの小ささがたまらない。
薄々思ってたけど、この人(?)、その辺の地球人よりよっぽどまともなんじゃないですかね。
言い換えれば地味です。もっとキャラが立った人間がたくさん出てきているというのに。もちろん、そこが面白いところなのですが。


新ヒロインの鈴乃が登場して、ちょっとだけラブコメ分が増量した感じ。
鈴乃に対抗心を燃やす千穂がとても可愛いです。あと、なんといっても素直。
もう気持ちが真奥にバレちゃってるからなんでしょうけど、予想以上に直球で攻めてきますね。
そのくせすぐに真っ赤になって逃げ出しちゃったりなんかして、もう見てるこっちが恥ずかしいわ! ニヤニヤが止まらないよちくしょう!
魔王の正体を知っても全然態度が変わらないどころか、むしろさらに好感度が上がってるんだから分からないものです。恋する女の子は強いなあ。
一方の恵美は相変わらずのツン状態。勇者としてはこれで正解ですよね。
ただ、真奥としての宿敵の頑張りを認め始めたのは大きな変化ではないでしょうか。
口では罵ってばかりいるけれど、現状で実際に恵美が魔王を倒す気でいるかというと、とてもそうは思えません。
でもあくまで彼女は勇者だから、立場的には魔王を倒さなければならないんですよね。
今回もそんな板挟みがちょこちょこ見えていたし、これからさらに増えていくのではないかと思います。
その時、彼女がどんな選択をするのかが重要になってくるのでしょうが、大方の予想は外れないんじゃないかなあ。


バトル自体は相変わらずの異世界ファンタジー。でも舞台は幡ヶ谷から新宿。このギャップが凄い。
で、毎回のように千穂が巻き込まれているわけですが、これでいいの……?
といっても千穂も千穂で活躍しているんですけどね。戦うことこそできないけれど、普通の女子高生にだって、ことばを届けることはできるのです。
予想外の方からの敵でした。この人たち、どれだけ敵がいれば気が済むの。
まあ、どんな敵が来てもこれだけのメンバーが揃っていれば心配はないでしょうけど。


キャラが増えてますますにぎやかになってきました。
真奥はともかく、まさか芦屋でこっち方面の期待ができるなんてねえ。
この先どうなるのかさっぱり読めませんが、なんだかんだまったり続いていってくれると嬉しいですね。


そこそこ頑張ってるのに全員から総スカン食らってる漆原に不覚にも萌えました。