まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

東京レイヴンズ4 GIRL RETURN & days in nest Ⅰ

  • ストーリー

なんとか進級試験をパスし、陰陽塾二年に進級することができた春虎たち。
進級に不安を感じながらも決意を新たにする春虎は、入塾式で思わぬ人物との再会を果たす。
あの『神童』大連寺鈴鹿が、陰陽塾に新入生として入塾してきたのだった……。


前半が本編ストーリー、後半が短編集というちょっと変わった作り。
敵が襲ってくるようなこともなく、陰陽塾でのドタバタな日常がこれでもかとばかりに詰め込まれていました。
怒涛のバトルはありませんが、その分ギャグとラブが大幅に増量されていてとても楽しかったです。


1巻の敵として登場し、強烈な印象を残して去っていった神童が遂に物語へと帰ってきました。これは嬉しい。
腹黒ロリ美少女にして十二神将なんていうめちゃくちゃおいしいキャラを放っておくはずがないですよね!
持ち前の陰険さを駆使して春虎を(社会的に)追い詰めていく鈴鹿さん、最高に輝いてます。
子供っぽい部分と妙に大人びて暗い部分が同居して、何とも言えない色気を放っていました。
ふとした時に見せる弱々しさにまた惹かれるものが。春虎の前でだけ見せるっていうのがまたね。ぐっときますよね。


短編は4話収録されているのですが、4話揃って完全に夏目のターンでした。
本編ではごくたまにしか見せない素の夏目が大放出。いやもう、めちゃくちゃ可愛い。今までもとんでもなく可愛いと思っていたのに、まだ可愛くなるのか。
予定外の失敗に慌てふためいたり、春虎と口論になって落ち込んだり、春虎に嫉妬して暴走したりと、表情がくるくる変わって全然飽きません。コンとの共謀には笑ってしまった。
ずっと澄ましているイメージが強かったんですけど、普段からこんな風だったんですね。ちょっと意外です。
もちろん、春虎や冬児をはじめとした友人たちとの交流の中で、少しずつ素でいられる時間が増えてきたということなんでしょうけれども。
でも流石に、これ以上のことがあったら性別がバレてしまいそう。むしろこれだけ色々やっててまだ隠しきれているのが凄い。
それにしても、夏目は本当に春虎のことが大好きなんだなあと改めて感じました。もっと素直になればいいのに。
もちろん、なかなか素直になれないからこそ、こんなにも可愛いのですが。
夏目の魅力が爆発している一方で、春虎が地味にひどい目に遭い続けていたような気もしますけど、羨ましいので同情はしません。


鈴鹿が微妙な立ち位置に加わって、ますます愉快になっていく人間関係。
もしかしてこの先、夏目と鈴鹿が一緒に敵と戦うなんてこともあったりするのでしょうか。期待で胸が熱くなりますね。
次巻も今回と同じく、本編と短編集がドッキングした形の1冊になるそうです。どちらも楽しみ。
謎めいた新キャラが登場したので、彼女がどのように物語に関わってくるのかにも注目ですね。


夏目にとっての最大の壁はやはりコンだったか……!